[2014_08_25_02]原発に影響する巨大噴火「兆候予測困難」 規制委チーム(朝日新聞2014年8月25日)
 
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原発に影響する巨大噴火「兆候予測困難」 規制委チーム


 原子力規制委員会は25日、原発に影響する巨大噴火の判断方法について、火山学者らによる検討チームの初会合を開いた。九州電力川内原発鹿児島県の審査で、兆候をとらえれば巨大噴火に対応可能とされたことについて、複数の火山学者が「現在の火山学で巨大噴火の兆候をつかむことは困難」と批判した。
 川内原発周辺には巨大噴火でできたカルデラ地形が複数あり、九電は観測で噴火の兆候をとらえた場合は運転を停止し、核燃料を運び出すとしている。チームは規制委の具体的な対応を検討するため設置された。
 会合で、火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東京大名誉教授は、兆候をとらえられる根拠とされたギリシャの火山の論文について「筆者に確認したが、カルデラ噴火一般について述べたものではない」と指摘。新規制基準の指針作りにかかわった中田節也・東京大教授も「観測された異常がどんな意味を持つのかの理解が現在の火山学では不十分」と話した。
 検討結果は、事故時の対応を定めた電力各社の手順書などに反映させる。規制委は川内原発の審査結果への影響はないとしているが、議論によっては九電が追加の対策を迫られる可能性がある。川原千夏子

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