[2014_07_04_01]東芝、ブルガリア原発受注 国内メーカー海外に軸足(東京新聞2014年7月4日)
 

東芝、ブルガリア原発受注 国内メーカー海外に軸足

 東芝が傘下のウェスチングハウス・エレクトリックWHを通じ、ブルガリアの国営電力会社の原子力発電所に、原発一基を納入する見通しとなったことが三日、分かった。近く基本合意を結ぶ。受注額は五千億円程度の見込み。日本メーカーが東欧で原発を受注するのは初めてという。
 日本の原発メーカーは東京電力福島第一原発事故以降、受注の伸びが期待できなくなった国内から、新増設計画の多い海外に軸足を移した。安倍政権の原発輸出政策も各社の海外展開を後押ししている。
 東芝が基本合意を結ぶのは、ブルガリア・エナジー・ホールディングBEHが、北部コズロデュイ原発で進めている増設計画。7号機として出力百十万キロワット前後の新型の加圧水型原子炉をWHが納入する見通し。
 ブルガリアはロシアからの輸入に頼る天然ガスを使った火力発電への依存度が高く、電力の安定確保のため原発に力を入れている。昨年十二月にブルガリア政府が交渉入りを承認し、東芝とBEHが契約内容の協議を進めていた。
 日本原子力産業協会によると、海外では百基程度の原発計画が進んでいる。東芝は六月、英国で原発建設計画を進める企業の経営権を握り、三基の受注を確実にした。日立製作所も、英国で発電会社を買収し原発建設を予定しているほか、リトアニアでも受注に向けた優先交渉権を獲得。三菱重工業はフランスの原子力大手アレバと組んでトルコで四基の受注を固めるなど、各社しのぎを削っている。
2014年7月4日

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