[2014_06_26_01]検討不足「審査できず」 規制委、原燃などに苦言(東奥日報2014年6月26日)
 
 原子力規制委員会は25日、都内で定例会合を開いた。六ヶ所再処理工場の安全審査などで事業者が十分な検討結果を示さず審査会合に臨むことに関して、委員が「案≠持ってきて、規制委の見解を求めたり、反応を見たりという姿勢で臨まれると、審査が進められない」などと、あらためて苦言を呈した。田中俊一委員長も同日の定例会見で自発的な対応の改善を求めた。
 定例会合では、再処理工場の審査などを担当する吏田豊志委員が「審査というのは、申請者が自らの検討を終了させ、確定させた方針や評価結果を示し、それを議論・確認する場だ」と語り、事業者の検討不足を批判。
 島崎邦彦委員長代理も「昨年7月から1年近く審査を行い、審査内容も公開しているが、(先行審査の)内容を反映しないで申請してくる事業者がある。大変に問題。審査の迅速化を妨げている」などと懸念を示した。
 審査の値踏み≠するような申請の仕方は絶対に避けてほしい−と定例会合で述べた田中委員長は、会見で「安全確保の最大の責任は事業者にあるということ。どうしたら良いのかを十分に考えて、どうですか−というのが申請だ」と訴え、審査をクリアすること前のめりな事業者に改善を求めた。
 新規制基準への適合性審査をめぐっては、19日に行われた東通原発(東通村)の審査会合で、東北電力が安全性の裏付けとなる貝体的数値を示せず、規制委側が「申請した以上は評価がされているはずだ」などと注意。
 また、19日の六ヶ所再処理工場の審査会合では、規制委側の指摘を踏まえて申請書を補正したい−とした日本原燃の姿勢が、「申請書を全部添削するのが審査ではない」などと批判された。
 規制委で指摘が出たことについて、原燃報道部は「真摯(しんし)に受け止め、引き続き適切に対応していく」とコメントした。
   (藤本耕一郎)
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