[2014_06_01_02]再処理完了まで務めると思った… 県内関係者驚き 原燃・川井社長退任発表に(東奥日報2014年6月1日)
 
 30日の記者会見で6月末での退任を発表した日本原燃の川井吉彦社長。六ヶ所再処理工場完工まで社長を務めるとの見方があっただけに、社内外に驚きが広がつた。
 複数の原燃関係者によると、川井社長の退任は多くの社員が発表当日に知ったという。県幹部の一人も「事前には知らなかった。突然でびっくりした」と驚く。
 再処理工場の新規制基準への適合性審査はいつ終わるか見通せず、同社が10月とする完工時期は延期が濃厚となっている。川井社長の70歳という年齢を考えると、これ以上出口≠ェ見えない中で激務とされる原燃トップにとどまるのは厳しかったのでは−とみる同社関係者も。別の県幹部も「完工や本格操業開始というヤマ湯が目前になれば、社長交代がしづらくなる。今が一番バトンタッチしやすいタイミングだったと思う」と語った。
 記者会見で「体全体に若干ガタがきており、このタイミングで(退任という)わがままを言わせていただいて、思い切って若返りを図ろうと考えた」と明かした川井社長。ある六ヶ所村議は「表情に疲れが見えるときもあった。本当に頑張ったと思う」とねぎらいながらも、「再処理工場完工まで、一体何人社長が代わるのか…」とつぶやいた。
 川井社長の後任は、東京電力を退社して2009年10月に原燃に籍を移した工藤健二副社長。原燃社長は歴代東電出身で、転籍当時から「次期社長は工藤氏」と社内でささやかれてきた。「転籍から5年近くたち、立地自治体や地元企業への認知度も高まった。社長就任の準備が整った」と原燃関係者の一人は解説する。(本紙取材班)
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