[2014_04_10_03]5千人、車で弘前へ 横浜町・東通原発事故避難計画 2経路設定 渋滞予想も(東奥日報2014年4月10日)
 
 横浜町は9日、東北電力東通原発での原子力災害を想定した避難計画を公表した。同原発から半径30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)に町全体が含まれるため、災害状況が深刻な場合、全町民約5千人が自家用車やバスを使い、2ルートに分かれて弘前市に移動、同市の県武道館に避難する。
 災害時、住民は車や徒歩で小学校など町内6カ所の一時避難場所に集合。被害が深刻で弘前市に向かう場合、移動手段のない人は、別の人の車や、町や町内企業所有のバス計12台に乗る。3月1日現在、町民5031人に対し自家用車と事業用車は計1597台あり、1台に3〜4人乗れば全員分の移動手段が確保できる計算だ。
 弘前市へは、国道279号で南隣の野辺地町に出た後、(1)国道4号〜同7号経由(2)下北半島縦貫道路〜みちのく有料道路〜青森・東北自動車道〜国道102号−の2ルートを使う。避難先の県武道館は、屋内部分が約1万8200平方メートルあり、約5500人収容可能という。
 むつ市や東通村、六ヶ所村からの避難者も同じルートを通るため、大幅な渋滞が予想される。
 町は279号の迂回(うかい)路となる下北半島縦貫道路の早期全複整備や、冬場の十分な道路除雪、避難時の交通整理などを県に求める考えだ。
 町は今後、同計画をベースに、地区ごとの具体的な避難方法を定める。また、移動手段不足に備えた町外からのバス確保や、避難時の生活物資確保などについても関係先と調整する。
 広域避難をめぐっては、原発が立地する東通村とむつ市は青森市が、横浜町と六ヶ所村は弘前市が避難先になっている。県内で大人数の避難者を受け入れられるのは青森、弘前、八戸の3市だが、東通原発と同じ太平洋側に位置する八戸市は、地震・津波の被害などを考慮して避難先とはしなかった。
   (赤田和俊)
KEY_WORD:HIGASHI_TOUHOKU_: