[2014_02_22_01]福島原発タンク汚染水漏れ 配管弁操作ミス、隠蔽か(東奥日報2014年2月22日)
 
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 東京電力福島第1原発のタンクから約100トンの高濃度汚染水が漏れた問題で、東電は21日、タンクにつながる配管の弁が漏えい前に開いていた可能性が高いことを明らかにした。漏えいが見つかった後の現場確認では弁が閉まった状態だったことから、何者かが誤って弁を開け、ミスを隠蔽(いんぺい)するために戻した可能性が出てきた。
 この弁が開いていたことで、タンクから汚染水があふれた。東電は当初、弁の故障の可能性があるとしていた。
 尾野昌之原子力・立地本部長代理は21日の会見で「(作業員の)何らかのミスの可能性がある。当時の状況を聞き取り、(隠蔽については)予断を持たずに調査したい」と述べた。
 東電から報告を受けた原子力規制庁の担当者は「現時点で弁が開閉された理由は分からない。東電が行っている作業員の聞き取り調査に注目している。新しい情報があれば報告するよう指示した」と話した。
 漏えいしたタンクにつながる配管には三つの弁があり、三つとも開くことでタンクへ汚染水が移送される。
 東電は20日の会見で、漏えいが見つかった後、三つのうち一つが閉まった状態で、弁が故障している可能性があると説明していた。
 しかし、その後の調査の結果、漏えい前の19日午前11時ごろ撮影した写真で、問題の弁が開いている状態だったことを確認。漏えい発覚後に撮影した20日午前0時半ごろの写真では弁は閉まっていたことから、何者かが弁を誤って開け、漏えい後に正常な状態に戻し、ミスを隠蔽した可能性がある。東電のこれまでの調査では、この間に問題の弁を操作した報告はないという。
 漏えいは19日午後11時25分ごろ、「H6」と呼ばれるタンク群の1基で見つかった。別のタンク群に移送するはずの汚染水が、満水に近かったH6のタンクに移送されたため、汚染水がタンクからあふれた。
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