[2013_10_31_02]未明に福島沖でM7 いつでも起こる首都圏M8級 東日本大震災の余震 前兆 次は沈黙する房総沖か(夕刊フジ2013年10月31日)
 深い眠りをさえぎる不気味な揺れが東日本を襲った。26日午前2時10分ごろ、宮城、福島、茨城、栃木の4県で震度4を観測。福島県の相馬で40センチなど東北太平洋沿岸の各地で津波を観測した。震源は「3・11」より南の福島沖で、今後は活動域がさらに南下する危険がある。房総沖のマグニチュード(M)8級を誘発すれば、首都圏が東日本大震災の発生当日以上の大混乱に陥るのは必至だ。

 気象庁によると、震源地は福島県沖で、震源の深さ約10キロ、M7・1と推定。東日本大震災の余震とみられる。北海道か本州の広い範囲で揺れを記録。気象庁は岩手、宮城、福島、茨城各県と、千葉県九十九里・外房に津波注意報を出した。大震災の余震による津波注意報の発表は、昨年12月に三陸沖で起きたM7・3の地震以来のことだった。
 各地で観測された津波は岩手県の久慈港で40センチ、宮城県の石巻市鮎川で30センチ、岩手県大船渡市で20センチ。気象庁は「M7クラスの余震はこれからも発生する恐れがあるので注意してほしい」と呼び掛けている。
 今回の地震について、武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)は、「海溝の外側を震源とするアウターライズ地震。さらに規模が大きかった場合、地震の揺れはそれほど強くなくても、大津波が襲ってくる『津波地震』になる危検があった」と解説する。
 津波地震の代表例は1896年、三陸沖を震源とする明治三陸地震(M8.2ー8.5)。揺れは最も強いところで震度4ながら、最大38・2メートルという巨大津波が発生し、2万人以上が犠牲となった。26日未明の地震は、規模によっては「3・11」級の被害をもたらす危険もあったわけだ。
 警成すべきなのは津波だけではない。
 「3・11の巨大地震では岩手から茨城の沖が震源となった。ただ、なぜ震源域の南側が茨城沖で止まったのか、原因は解明できていない。茨城沖よりさらに南、っまり房総沖に大地震が隠れている可能性がある。房総沖で蓄積されているエネルギーがM8規模の地震として解放されれば、首都圏は3・11よりはるかに大きな影響を受けることになる」 (島村氏)
 2011年3月11日、首都圏では515万人が自宅に帰れない帰宅難民となった。東京により近い房総沖で巨大地震が起きれば、交通インフラが受けるダメージはさらに拡大。線路の損傷、道路の陥没、大規模停電などにより、3・11を上回る大量の帰宅難民が生まれるほか、都市機能のマヒは長期におよぶ可能性がある。
 三陸沖から茨城沖で強い余震が起きているなか、ひたすら沈黙する房総沖。隣接区域の活発な動きは、蓄積された″満タン≠ノ近いエネルギーを刺激してしまうのか。
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