[2013_03_19_02]原発事故想定せず 影響甚大で被害予測困難(茨城新聞2013年3月19日)
 南海トラフ巨大地震の被害想定では、東日本大震災での東京電力福島第1原発事故のような津波が原発を襲い大きな被害をもたらすケースは盛り込まれなかった。原発事故が起きれば影響は甚大で、被害予測が困難なためだ。
 内閣府は「(白然災害と原発事故の)複合災害は起こりうる」とするものの、「原発対策は切り離して議論すべきだ」との考えで、今回の被害想定から外した。
 従来、原発の津波対策はほとんど考慮されてこなかったが、福島事故を教訓に原子力規制委員会が新しい安全義務づける。策定中の新基準では、原発ごとに想定する最大規模の津波を「基準津波」として設定し、これに対応するための防潮堤の設置や重要設備の水密化を徹底。防潮堤は地震で壊れない強度を求める。
 南海トラフの地震では、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)に最大19メートルの津波が襲来すると予測される。中部電は7月施行の新基準を先取りする形で高さ22メートル、全長1・6キロの巨大防潮堤を建設中。
 当初の予定の18メートルまで完成したが、昨年8月の推計で津波が防潮堤を越えると指摘され、かさ上げを決めた。
 日本原子力発電東海第2原発(東海村)、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、中国電力が計画する上関原発の予定地付近(山口県上関町)は、いずれも最大3メートルの津波が予測される。
 東海第2は敷地の高さが8メートル、伊方は10メートルと余裕があるため、防潮堤以外の方法で対策を進める。
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