[2013_03_12_03]メールマガジン【TMN:No1779】井端氏で田中委員長の国会答弁を批判(たんぽぽ舎2013年3月12日)
以下はたんぽぽ舎のメールマガジン【TMM:No1779】よりの引用です
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┗■1.原子力規制委田中委員長、「世界最高水準」でなかったことを国会答弁で露呈
 |  原発立地そのものの安全性についての基準は、日本は「世界最低水準」である
 └──── 約20年前から原発を危険視している横浜に住む一市民  井端 淑雄

○ 3月12日の国会において、原子力規制委員会の田中委員長は、みんなの党の議員の質問「活断層の判断基準は、アメリカでは180万年前となっているが、日本では12、13万年〜40万年前となっている、どうして日本の基準はアメリカの基準や国際基準と離れた状況にあるのか?」に対し、「アメリカでは、3万5千年前以降一回でも動いたもの、あるいは50万年前以降に複数回動いたものを基準としているが、アメリカ東部など地盤のしっかりしたところでは180万年前となっている。」と答えている。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42490&media_type=
 7時間14分から

○ 活断層の定義と、原発立地の調査基準をゴチャ混ぜに!
 答えの前半は、活断層の定義としては正しい答えとなっている。しかし、そのまま続けて「アメリカ東部など地盤のしっかりしたところでは180万年前・・」と発言しているためこの180万年が活断層の判断基準であると誤解されるような答え方になっている。
 この後半部分は、原発立地を調査する際、活断層に限らず地盤が動いたかどうかを180万年前第4紀層まで遡って調べるという基準で、これはアメリカ東部だけではなくアメリカ全土に適用される基準である。 田中委員長は、調査で適用する活断層の定義が、あたかも原発立地場所の違いによって異なるような答え方をしている。
 TVでも何回か報道された、「アメリカの原発立地調査基準が原発を中心とする320km、180万年前」に対して日本では、調査範囲は原発を中心とする半径100kmである。活断層等に関する安全審査の手引き
日本の基準が非常に甘いことを、覆い隠すことを目的とした答えではないかとの疑いが濃い。
余計な付け足しで馬脚を現す甘い基準で、これまで54基もの原発を造ってきて今回の事故となったことを自ら証明 もっと問題なのは「日本では地盤の動きが活発であり、100万年を基準とすると動いていないところがなくなってしまう」と付け足したことである。
 これは正に本音であり、日本でアメリカ並みの厳しい基準で調査すれば、原発立地を見つけることができないから、甘い基準を適用し、これまで54基もの原発を造ってきて今回の事故となったことを自ら証明したことになる。
 新安全基準骨子案に対するパブコメ募集に先立ち、田中委員長や茂木経産相、朝日新聞などのメディアが「新安全基準は世界最高水準」あるいは、それを目指すとか喧伝し一般国民に期待を持たせてきた。
 津波に対する防潮堤の有効性はともかく、確かに高さは世界水準であるかもしれないが、こと原発立地そのものの安全性についての基準は世界最低水準ではないか?
 この重大な、そして原発推進派にとって不都合な委員長の国会発言を、私の知る限りメディアは全く報じていないのであえて、提示したい。

KEY_WORD:規制委:田中俊一委員長