[2012_05_12_01]「健全な批判精神が欠如」 日本地震学会 臨時委で反省の総括(東奥日報2012年5月12日)
 想定外の被害となった東日本大震災を踏まえ、これまでの地震研究に何が足りなかったかを検討していた日本地震学会の臨時委員会(委員長・鷺谷威名古屋大教授)は11日、「研究者間の健全な批判精神や学会内外でのコミュニケ一ションが欠如していた」などとする総括をまとめた。
 マグニチュード9の地震を想定できなかった理由として「実力不足」と率直に認め、「地震学の中に閉じこもり、他分野の知見を踏まえた議論が不十分だった」と指摘。学会内には「大震災を想定した研究もあった」との意見もあったが、「社会に発信すべきだという切迫感がなかった」と退けた。
 従来、国の防災施策への関与について学会が消極的だったと分析し、今後は施策に対する議論の場を設けるとともに、社会に向けて的確な情報発信を行うよう方針転換を行うべきだとした。
 地震と津波防災について「社会にとって何が必要か想像力を持つ」と決意表明。発生確率の予測よりも、地域で発生しうる最大規模の地震や津波の調査をするべきだったと反省した。
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