[2011_10_29_03]津波11メートルまで耐えられる 関電・大飯3号 安全評価を提出(東奥日報2011年10月29日)
 関西電力は28日、定期検査中の大飯原発3号機(福井県おおい町、118万キロワット)の再稼働に必要な「安全評価」の1次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出、福井県などに内容を説明した。
 現在、同原発で想定する最大の揺れの強さ(700ガル)の1・8倍、津波の想定高(2・85メートル)の4倍の11・4メートルまでほ核燃料が損傷せずに耐えられるとしている。
 停止中の原発の再稼働に向けた安全評価の提出は全国の原発で初めて。保安院が内容の妥当性を確認し、国際原子力機関(IAEA)の再点検も受ける予定だが、評価にかかる時間は不明。地元の了承も必要なため、再稼働時期は見通せない。
 一方、保安院は同日、原発の耐震安全性評価(バックチェック)に、新たに津波の評価方法を設定すると表明。東京電力福島第1原発事故を受け、津波に関する考え方を再検討し、新たな評価方法の設定が必要と判断した。大飯3号機についても新たな評価方法で安全を確認する必要があり、それまでは1次評価に対する保安院の評価作業は終了しないとしている。
 関電が提出した安全評価によると、3号機は1260ガルの揺れまで、プラントの冷却などに必要な電源装置が耐えられると確認。11・4メートルを超える津波を受けると、電源不要で冷却する「タービン動補助給水ポンプ」が水没するとした。全電源喪失後も、敷地内にある水がなくなるまで16日間は冷却可能。福島の事故後に電源設備を強化しなければ、約5時間で冷却できなくなっていたという。
 関電は「福島の事故後に実施した安全対策で冷却手段が多重化され、プラントの安全性は向上したと確認できた」としている。
 関電は大飯原発の津波の想定高を従来の1・86メートルから2・85メートルに見直した。若狭湾周辺の三つの断層が連動して津波を起こす可能性があると判断したため。美浜原発は約1・9メートル(従来は約1・6メートル)、高浜原発は約2・3メートル(同約1・3メートル)に見直す。
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