[2011_10_15_03]廃炉「私見として」 東海村議会 特別委で村長 脱原発、重ねて強調(東京新聞2011年10月15日)
 
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廃炉「私見として」 東海村議会 特別委で村長 脱原発、重ねて強調

 東海村の村上達也村長が「東海第二原発を廃炉にするべきではないか」と細野豪志原発事故担当相に提案した発言をめぐり、原発推進派が多数を占める村議会の原子力問題調査特別委員会(村上邦男委員長)が十四日、臨時で開かれた。発言内容が議会の同意を得ていないなどとして村長の見解をただすのが目的。村長は「政策でも議案でもなく私の意見として申し上げた」と理解を求めた。 (井上靖史)
 原子力特別委は全議員の半数にあたる十人で構成。うち明確に原発に反対しているのは一人だけ。この日、委員九人が出席し、「大臣に廃炉を要望したのか」「村民の合意を得ていない」などと約一時間にわたり村長に説明を求めた。
 村長は「福島の事故後、国としてどういう原発政策をもっているのか聞きたかった。(廃炉を)私一人で決められるはずもない。政策としてならきちんと議会の意見を聞く」と真意を述べた。
 しかし、周辺の人口規模や安全性から「廃炉」の考えは崩さない。「脱原発、減原発の流れは避けられず原発依存は過去のものになる。村の新しい地平線を開くべきだ」とあらためて強調した。
 終了後の取材に村長は「私の言葉に不十分な点もあった」と反省しつつも「もともと(議員と原発の)考え方の違いはあるから」と冷静な見方も。
 一方、原発推進派を公言する村上委員長は「原発のおかげで発展した村が真っ先に脱原発を言うのは先人たちを愚弄(ぐろう)している」と村長の姿勢を批判した。しかし、発言問題については「この件はこれで終わり」とした。
 村議会は現在、全議員二十人のうち原発推進派が多数を占める。来年一月に村議選が予定されており、「原発」のあり方が争点になりそうだ。
 また村上村長はこの日橋本昌知事と会談し、知事から発言について「こちらから、なたを振り上げるのは得策ではない」と意見されたことを明かした。

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