[2011_10_14_01]東日本大震災で三陸海岸 津波 北ほど高い傾向 東大地震研 複数の波重なる?(東奥日報2011年10月14日)
 東日本大震災で太平洋沿岸を襲った大津波で、三陸海岸に到達した津波の高さは、震源域に近い南部よりも離れた北部の方が高い傾向にあるとの調査結果を、13日までに東大地震研究所などの研究グループがまとめた。静岡市で開催中の日本地震学会で14日に発表する。
 通常、津波は震源域に近いところほど高い波が観測されるが、原田智也・東大地震研特任研究員は「複数の発生源から来た津波が重なり合って大きくなった可能性がある」と指摘している。
 研究グループによると、調査は約10回実施し、岩手県などで約300カ所を調査。岩手県中部から北部沿岸は津波の高さが20メートル以上に達しており、特に陸地斜面を駆け上がる「遡上(そじょう)高」が30メートルを超えたのは全て宮古市以北で、約10カ所あった。
 一方、岩手県南部での津波の高さはおおむね10〜20メートル。津波は海岸地形の影響を受けやすく、リアス式海岸では巨大化しやすいとされているが、地形の影響だけでは今回の津波高は説明がつかないという。
 原田特任研究員は、東日本大震災の発生から約3分遅れで、岩手県沖でも断層の大きな破壊が起こったと想定。その後、さらに北の場所でも破壊があったとして、断層の破壊で生じる津波を計算した。その結果から、岩手県沖から来る津波と宮城県沖の津波が重なり、高さが増した可能性が考えられるという。
 今回の地震による津波の遡上高は宮古市が最も高く、土木学会の調査では39・7メートルと観測史上最大規模だったことが分かっている。
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