[2011_09_30_03]地震間隔 2つの周期か 南海トラフ 地層から津波跡発見(東奥日報2011年9月30日)
 東海・東南海・南海地震が警戒されている「南海トラフ」沿いでは、約200年間隔と約100年間隔の異なる二つの周期で地震が起きている可能性があるとする研究結果を、大阪市立大の岡橋久世氏(現・香港大学)らの研究グループが30日までにまとめた。
 グループは三重県で地層を調べ、これまで文献などで地震が確認されていない年代も含めて過去2400年間に十数回の津波によるとみられる堆積物を発見した。
 国は南海トラフ沿いの地震発生周期について、歴史記録を基に平均すると約110年間隔と想定。南海地震の30年以内の発生確率を60%程度(今年1月現在)などとしているが、グループの産業技術総合研究所の藤原治主任研究員は「二つの周期が繰り返しているとすると、発生確率を変える必要がある」と指摘している。
 藤原主任研究員によると、堆積物は三重県尾鷲市の「須賀利大池」で採取。池の底から深さ約4メートルまでの泥の中に、津波によると考えられる砂などを含んだ15から16の層があるのを確認した。年代測定の結果、紀元前4世紀ごろから18世紀にかけての堆積とみられる。
 これまで地震の記録がなかった13世紀前後の地層からも砂などの堆積物を発見。堆積物は11世紀以降では100〜150年間隔だったが、11世紀以前は約200年。2〜5世紀は100年間隔で、それ以前は再び200年間隔と、長めと短めの周期を繰り返しているようにみられるという。
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