[2011_09_24_01]東日本大震災 海底活断層が原因か 東洋大教授ら 地震空白域も指摘(東奥日報2011年9月24日)
 3月の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、岩手県から茨城県沖まで400キロ以上に及ぶ「海底活断層」が引き起こした可能性があるとの調査結果を、東洋大や広島大などの研究グループが23日までにまとめた。
 また千島海溝と日本海溝の接続部が地震の空白域となっていることも判明。空白域に約120キロの海底活断層があり、グループの渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は「マグニチュード(M)8級の地震発生の可能性がある」としている。
 東日本大震災は海溝型地震だが、これまで、海溝型はプレート境界の固着した領域のある地下深くで起こっており、海底活断層とは直接関係ないとされてきた。今回の調査結果は地震メカニズムの解明や予測に影響を与えそうだ。
 グループは、海上保安庁などが作成した詳細な海底地形図を用いて海底地形を立体的に分析。地震で形成される崖や地形の盛り上がりなどの特徴から、活断層の位置を推定した。19世紀後半以降に海で起きた地震の震源域と海底活断層の位置を照合すると、よく符合していた。
 東日本大震災の震源域では、日本海溝の陸側海底に400キロ超の「逆断層」が存在しており、大きな津波被害を伴った貞観地震(869年)や慶長三陸地震(1611年)も起こした可能性が高いという。地震空白域とされる千島、日本両海溝の接続部は、1968年の十勝沖地震と2003年の同地震の震源域の間に位置。大地震の記録はないが、海底活断層が確認されていなかったため空白域とは認識されてこなかったという。
 グループの中田高・広島大名誉教授(変動地形学)は「海溝沿いで起きる海溝型地震の予測は破壊領域などの仮説を基に行われてきたが、仮説と合わない地震も多い。予測をより現実的なものにするために、海底活断層の情報を重視するべきだ」としている。

 海溝型地震

 海側のプレート(岩板)が陸側のプレートに沈み込む際、蓄積したひずみが限界に達しプレートが跳ねあがって発生する。
 南海トラフから駿河トラフにかけて起きる東海地震や東南海地震もこのタイプとされ、マグニチュード(M)8クラスの大規模地震となる可能性が高く、津波を伴うことも。関東大震災も含まれる。海溝型より浅い、内陸部の活断層を震源とする地震と区別した呼び名。
KEY_WORD:HIGASHINIHON_:JOUGAN_:KEICHOU-SANRIKU_:KANTOUDAISHINSAI_:TOUNANKAI_:KANTOU_:TOKACHIOKI_:TOKACHIOKI1968_:TSUNAMI_: