[2011_09_16_01]大津波 04年に可能性指摘 防災会議調査会 最終報告で除外(東奥日報2011年9月16日)
 政府の中央防災会議専門調査会が、2004年2月に開いた日本海溝などで発生する地震に関する審議の議事録が15日までに判明した。東日本大震災との類似性が指摘される貞観地震(869年)について、専門家からは「規模やメカニズムは分からないが被害が大きいことは事実で、切り捨てないでいただきたい」として福島、茨城などへの大津波の可能性を指摘する意見が出ていた。
 専門調査会の最終報告では、過去に同じ地域で繰り返し起きていることが確認できない巨大地震は、データ不足などを理由に想定対象から除外された。しかし震災後に設置された別の専門調査会は、今年6月の中間報告で従来の想定が甘かったことを認め、対象とする地震や津波の規模を千年に一度のクラスに広げる方針を打ち出している。
 議事録が公開されたのは14日夜で06年1月の最終報告から5年半以上も経過。発言者名も伏せており、国民生活に大きな影響を及ぼす情報開示の在り方が問われそうだ。
 専門調査会には専門家14人と政府関係者らが出席、03年10月から06年1月まで17回、審議した。
 04年2月の議事録では、一定地域で繰り返し起きる地震以外への対策を先送りする政府方針に対し、専門家が「明治、昭和の三陸地震程度のことは隣の領域で起こるかもしれない」などと発言。事務局側は「繰り返しが確認されている地震と同じ防災対策とするのはいかがかと考え、線を引いた」と説明した。
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