[2011_09_15_01]東日本大震災土木学会調査 宮古の津波39.7メートル 観測史上最大規模に(東奥日報2011年9月15日)
 土木学会東日本大震災特別季員会の津波特定テーマ委員会(委員長・今村文彦東北大教授)は14日、記者会見し、岩手県宮古市で陸地の斜面をさかのぽった津波の高さ「遡上(そじょう)高」が39・7メートルに達していたとみられることを明らかにした。
 国内の津波遡上高としては1896年の明治三陸地震の際、同県大船渡市で確認された38・2メートルを上回る観測史上最大規模。東日本大震災ではこれまで、宮古市内で38・9メートルの津波の痕跡が確認されている。
 土木学会メンバーら全国の研究者でつくる「東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ」による現地調査結果。
 会見した高橋智幸関西大教授によると、今回の震災のように震源が陸地に近い場合は通常、津波の広がりは限定的で、明治三陸地震でも福島県では顕著な津波は確認されていない。しかし今回は西日本でも津波が確認され「1960年のチリ地震など遠地地震津波に匹敵する」という。
 また会見では、東日本大震災で損壊した岩手県・釜石港の湾口防波堤が再建されないまま明治三陸地震クラスの津波に見舞われた場合、釜石市の浸水面積は267ヘクタールに達するのに対し、復旧されていれば7・3ヘクタールに抑えられるとの試算が報告さた。
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