[2011_07_28_01]津波警報 「最悪」想定し第一報 気象庁 改善策方針まとめる(東奥日報2011年7月28日)
 気象庁は27日、東日本大震災の教訓を受け、津波警報の改善策の基本方針をまとめた。マグニチュード(M)8超の巨大地震でほ、その海域で想定できる最大地震に基づき第1報を発表する方針で、マグニチュードの推定値が過小な恐れがある場合、第1報は津波の高さ予想を発表せず「経験のないほどの巨大な津波の恐れ」と表現することも検討する。
 大震災でば、国内の地震計が振り切れたためM9・0と算出するのに時間がかかり、当初の警報はM7・9の速報値に基づき「岩手−福島で3〜6メートル」と過小予想。住民の避難行動に影響した可能性がある。
 中央防災会議は2003年、東海・東南海・南海の3地震が連動した場合、M8・7になり、東・西日本の太平洋岸に10メートル以上の津波が押し寄せると分析。気象庁はこうした最悪のケースを想定し、警報の第1報を出す方向で検討している。
 基本方針によると、巨大地震が見込まれる海域でば、過去にあった最大規模の地震などを想定し津波を予測。新たなデータで警報の内容を更新するが、続報は被災地の住民に届きにくいため、最悪のケースから徐々に引き下げる方向性を基本とする。
 M6〜8程度の地震では、過去に出た警報も精度に問題がなかったため従来通り高さ予想を発表するが、M8超の巨大地震で津波予想に不確実性があると考えられる場合は、高さを発表しないこともあり得るとした。
 津波第1波の観測情報も、さらに大きい津波の恐れがあることがより伝わるよう見直す。同庁によると、過去の津波では第1波が最大となるケースは少ないという。
 基本方針は27日、地震学者らで構成する勉強会で報告。メンバーから「津波の高さ予想は不要」「『何メートル以上なら高台に逃げる』など、具体的な避難行動を示すべきだ」などの意見が出た。同庁は今後、中央防災会議での検討や一般からの意見聴取を経て、秋に改善策を決定する予定。
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