[2011_07_23_02]防潮堤 計画比6メートル高い18メートル 中部電 浜岡原発に津波対策(福井新聞2011年7月23日)
 中部電力は22日、東海地震に備えて新設を予定している浜岡原発(静岡県御前崎市)の防潮堤を従来計画よリ6メートル高い18メートルとし、代替の取水ポンプの設置も盛り込んだ新たな津波対策を発表した。工事費は約1干億円で、来年12月の完了を目指す。
 地震や津波への備えが不十分と判断した政府の要請を受け、浜岡原発が全面停止してから2カ月余り。東海地震の震源域にある原発の安全性を高め、地元自治体などに早期再開への理解を求めるのが狙い。
 中部電は原子炉建屋自体の浸水防止策や、全電源が喪失した場合の手段などもまとめた。静岡支店の幹部が22日、静岡県庁を訪れ、対策について説明した。
 東日本大震災後、中部電は12メートル以上の防潮堤を設置する緊急対策を決めたが、福島第1原発に到達した津波が約15メートルだったことを考慮した。長さは約1・6キロの予定。
 東海、東南海、南海地震が連動した場合の浜岡原発への津波を約8メートルと想定している。原発の前には高さ約10〜15メートルの砂丘があり、これまで防潮堤はなかった。
 さらに津波が防潮提を越えて敷地内に海水が流れ込む事態も想定。原子炉を冷却するための海水をくみ上げるポンプは屋外に設置されているが、新たに防水構造の建屋を建設し、建屋内に代替ポンプ2台を設置する。
 原子炉建屋の浸水対策では外壁の扉を二重構造にしたり、給排気口の形状を変更する。
 電源が使えなくなった場合は高台に設置するガスタービン発電機を利用。海水冷却機能が喪失しても、新設する水タンクなどで15日分の水源を確保できるという。
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