[2011_07_19_01]海抜下の岩盤に原子炉 福島第一原発 大規模津波に弱く(東奥日報2011年7月19日)
 東日本大震災で高さ約13メートルの津波に襲われた東京電力福島第1原発(福島県)では、1967年に始まった1号機建設の際、太平洋に面した高さ約35メートルの平たんな台地を約25メートル削って敷地を造成していたことが18日、東電関係者らの作成した資料から分かった。東電はこの敷地からさらに約14メートル下、海抜マイナス約4メートルの岩盤まで掘り下げて原子炉を設置していたことも判明。津波の専門家は「結果論だが、今回のような大規模津波には弱い構造だ」と指摘している。
 東電の原子炉設置許可申請書(66年)や、当時の同原発建設準備事務所の関係者が専門誌に発表した論文によると、掘削は、台地が粘土が混じった小石や砂などが堆積してできていて重要施設を設置するには不適当だったために実施。高さは@原子炉建屋の基礎工事費A敷地の造成費B原子炉冷却用海水のくみ上げに必要な動力費−などの経費と、「台風や津波に対して十分安全な高さ」であることを勘案して決めたという。
 台地を削った敷地に港を併設すれば圧力容器搬入や使用済み燃料の搬出に船を利用できるため、陸上輸送よりも経済的に有利と判断したという。後に建設された東電福島第2原発でも海岸の台地を削り、海抜下の岩盤上に原子炉を設置する構造が引き継がれている。
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