[2011_06_08_03]M8級の巨大地震 茨城、房総沖に空白域(茨城新聞2011年6月8日)
 東北に大津波をもたらした1896年の明治三陸地震=マグニチュード(M)8・2=や1933年の昭和三陸地震(M8・1)と同タイプの巨大地震が今後発生するとすれば「北緯37度以南の茨城−房総半島沖」の可能性があるとの解析結果を、建築研究所の古川信雄研究専門役(地震学)が7日までにまとめた。
 茨城ー房総沖の日本海溝を挟んだ両側が両タイプの地震の空白域とみられ、長期間地震を起こしておらず新たな地震の震源となる可能性があるため。海溝の西側で起きるのが「明治三陸型」、東側が「昭和三陸型」とみており「発生時期は分からないが、警戒が必要」としている。
 明治三陸は逆断層型で揺れは小さいが、東日本大震災に匹敵する大津波を引き起こす「津波地震」、昭和三陸は、明冶三陸の震源沖合で発生した正断層型の「アウターライズ地震」と位置付ける。
 古川さんは大震災で活動した震源域の広がりを調べるため、米地質調査所(USGS)が世界の観測点でとらえた震災前後1週間の地震波を解析した。
 その結果、余震は岩手−茨城沖の陸寄り中心に発生し、北側の宮城−福島沖は余震域が海溝まで広がっていたが、茨城沖以南では海溝に達しておらず未破域が残る可能性のあることが判明。本震震源沖合の海溝東側で、M7超の正断層型のアウターライズ地震が、震災直後に既に起きたことも確認した。
 アウターライズ地震 陸側のプレート宕板)の下に沈み込む海側のプレトトは、沈み込む手前の海溝の外」側(沖合)部分が隆起した形状になっている。
 プレート境界の地震発生後、海側プレートが陸側プレートの下に引っ張られ、隆起の周辺の浅い部分で破壊が撃」り正断層型の「アウターライズ地震」が発生することがある。マグニチュード(M)8級になれば大津波の恐れがある。2006年千島列島東方地震(M7・9)の約2カ月後に起きたM8・2はこのタイプ。
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