[2011_04_29_01]原子炉「水没冷却」を一時中断 想定以上に圧力低下 福島第1原発1号機(日経新聞2011年4月29日)
 
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原子炉「水没冷却」を一時中断 想定以上に圧力低下 福島第1原発1号機

 東京電力は29日、福島第1原子力発電所1号機の原子炉を水に浸して燃料棒を冷やす作業を一時中断した。格納容器の圧力が想定以上に下がったため、圧力容器への注水量を同日午前に毎時6トンと作業着手前の水準に戻した。格納容器の圧力が大気圧より下がると、酸素を含む空気が容器内に入り込み水素爆発を起こす可能性があるという。
 東電は、圧力容器の外側にある格納容器を意図的に水で満たす「水棺」を、事故収束に向けた工程表の柱の一つに据えており、3カ月以内の実現を目指している。
 1号機では27日午前に毎時10トンに注水量を増やした。その後、格納容器の圧力が下がり続けている。27日午後4時に0.14メガ(メガは100万)パスカルだったのが、28日午前5時には0.125メガパスカル、29日午後1時には0.105メガパスカルまで下がった。
 大気圧(0.1013メガパスカル)を下回ると、水素爆発を引き起こすリスクが高まる。注水量を減らして状況を分析するが、格納容器内の水位が分からないため、水位計の設置などを検討する。水素爆発を防ぐための窒素注入は継続中という。
 29日には1号機の原子炉建屋1階に再びロボットを投入して様子を探ったが、水漏れなどは確認できなかった。
 2号機では、29日午前、タービン建屋地下やトレンチ(坑道)にたまった高濃度汚染水の移送をいったん停止した。移送に使ったホース内部の洗浄や、放射線の遮蔽、モニター機器の設置などを済ませた上で、30日午前からポンプを2台にし、移送量を倍増する予定。

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