[2011_04_10_01]エネルギー「阪神」の1400倍 データから見る地震メカニズム M9.0 津波 揺れ・余震 地殻変動 誘発 各地の津波高さと震度(東奥日報2011年4月10日)
 「戦後最悪の自然災害」となった東日本大震災。日本列島の地下で何があったのか。気象庁や各研究機関の観測データなどからまとめた。

 M9.0

 3月11日午後2時46分、宮城県・牡鹿半島の東南東約130キロ沖を震源とする地震が発生。岩手−茨城県沖の南北約450キロ、東西約200キロの震源域で、三つの巨大な断層が約3分かけて破壊、断層のずれは約20〜30メートルに及んだ。
 断層道動から求めたモーメントマグニチュード(M)は国内観測史上最大の9・0。阪神大震災をこのマグニチュードに換算すると、東日本大震災のエネルギーは約1400倍という。

 津波

 東北太平洋沿岸を10メートルを超す大津波が襲った。東大地震研究所によると、陸地をさかのぼって到達した津波の高さ(遡上(そじょう)高)は岩手県宮古市で37・9メートルに達した。国内観測史上最大は1896年の明治三陸地震津波の38・2メートル。福島原発は、約14メートルの津波に襲われたとみられる。

揺れ・余震

 宮城県栗原市で震度7。5弱以上は少なくとも17都県の計734地点。宮崎、沖縄両県を除く45都道府県で揺れを観測した。震度4の揺れが3分以上続いた所もあった。
 M5以上の余震は、4月7日のM7・1、最大震度6強が395回目。これまで過去最大だった北海道東方沖地震(1994年)の余震活動の3倍を超えるペースだ。

地殻変動

 海上保安庁は、震源付近の海底が東南東方向に約24bずれ約3b隆起する地殻変動を観測。大震災を引き起こしたプレート(岩板)の跳ね返りに伴うとみられる。国土地理院によると、牡鹿半島は約1・2b沈降。被災地は地盤沈下で津波の浸水が引かず、復旧の妨げとなった。

誘発

 余震とは別に▽3月12日の長野県震度6強(M6・7)▽同15日の静岡県震度6強(M6・4)▽4月1日の秋田県震度5強(M5・0)ーなど大規模地震が相次いだ。「大震災に誘発された可能性は否定できない」と気象庁。
 東海地震の想定震源域では今のところ異常はないが、地震防災対策強化地域判定会の阿部勝征会長は私見とした上でこう指摘した。「三つの巨大断層が破壊され大震災が起きた。東海・東南海・南海地震の連動も真実味を帯びてきた」
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