| [2007_04_01_01]発電設備の総点検に関する評価と今後の対応について(概要) 資料1(福井県2007年4月1日) |
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04:00 資料1 発電設備の総点検に関する評価と今後の対応について(概要) 平 成 19 年 4 月 経 済 産 業 省 原子力安全・保安院 1.経緯 (1) 国は、平成15年に、電力会社の不正問題を受けて、原子力発電の検査制度の抜本的強化を図った。一方、昨年秋、電力会社において、データ改ざんが次々に明らかとなってきたことを受け、甘利経済産業大臣の指示に基づき経済産業省は、昨年11月30日、全電力会社に対し、すべての発電設備について、過去に遡りデータ改ざんや必要な手続きの不備その他同様な問題がないかの総点検を行うよう指示した。 (2) これを受け、平成19年3月30日に各電力会社から総点検の結果について報告がなされ、また、同年4月6日には再発防止対策が報告された。 2.総点検のねらい この総点検のねらいは、次の4つである。 (1) 過去の不正を前提に記録を改ざんし続けていくという悪循環を断ち切ること。正しい記録を残すため、過去に遡って不正を清算しておくことが必要である。 (2) 不正を許さない仕組みを構築すること。基準などから逸脱したことがあった場合でも、その事実を改ざんしたり隠したりすることなく、正確な情報を、逸脱した原因や評価結果とともに開示していくよう、仕組みを作り上げることが必要である。 (3) 事故やトラブルの情報を共有し、再発防止に活かすこと。個々の事故やトラブルについて原因を究明し、再発防止対策を講じ、かつ、その情報を他社も含めて共有することにより、安全性を一層向上させる。 (4) このような活動を着実に進めていくことにより、電力会社の体質を改善すること。電力会社の体質を改善し、公益事業者として、安全確保を大前提に、電力を安定的に供給していく基盤を強固なものにする。 3.総点検の結果等に対する評価 3.1.総点検の結果に対する評価 (1) 今回の総点検の結果については、原子炉等規制法及び電気事業法への抵触の有無と同法が確保しようとする安全が損なわれたかどうかという観点から評価区分を設け、T、U、V及びWとした。(別紙1) (2) 評価の対象とした316事案(電気事業連合会の集計では309事案)を評価した結果、評価区分Tが50事案、Uが104事案、Vが149事案、Wが13事案であった。 (3) 評価区分T、すなわち、法令に抵触し安全に影響があったものは、原子力では、北陸電力且u賀原子力発電所1号機の臨界事故の隠ぺい、東京電力株錐闃羽原子力発電所1号機のポンプ起動の不正表示など合計11事案であった。(別紙2) 水力では21事案、火力では18事案であった。 (4) なお、原子力について、平成15年10月の新たな検査制度の適用開始以降に、法令に抵触するデータ改ざんは報告されていない。 3.2.再発防止対策に対する評価 (1) 各社の再発防止対策によれば、今般の総点検を受けて、コンプライアンス・企業倫理の徹底、不正事案を見出すための仕組みの構築・強化等を図るとしている。 (2) また、社内外のコミュニケーションの推進や「原子力施設情報公開ライブラリー(ニューシア)」を活用した情報の一層の共有化を図ることとしている。 (3) 各社の再発防止対策については、再発防止をより確実なものとし、安全確保に万全を期すため、実現可能性を考慮した行動計画の明確化、具体化が必要である。 4.今後の対応 今回の総点検の結果を踏まえた今後の対応については、総点検の4つのねらいを踏まえ、過去の不正を遺憾とするにとどまらず、今後の発電設備の安全確保の向上に具体的につながる対応とする。(30項目) (※各文末の番号は別紙4の今後の対応の番号である。) 4.1.行政処分と総点検結果を踏まえた特別な対応(別紙3参照) (1) 評価区分Tとされた7原子力発電所(9プラント)について、再発防止の観点から、重大事故が経営責任者に直ちに報告がなされる体制を構築するなどの保安規定の変更を、原子炉等規制法第37条第3項に基づく行政処分として命令することとする。(別紙4(1)) また、これらの原子力発電施設については、定期検査に加えて特別な検査を実施し、追加的な時間をかけて厳格に安全を確認することとする。さらに、原子力安全・保安院の特別原子力施設監督官が当該原子力発電所の特別な監視・監督を行う。(別紙4(6)、(7)) (2) 水力、火力分野について、評価区分Tに該当する10電力会社については、再発防止の観点から、主任技術者が保安の監督を行う責務を十分に果たすことができるようにすることなどの保安規程の変更を、電気事業法第42条第3項に基づく行政処分として命令することとする。(別紙4(2)) (3) さらに水力分野のうち、2発電所については、現在においても技術基準に適合していないことから、発電所を止めて修理を行い、技術基準に適合させるよう、電気事業法第40条に基づく行政処分として命令することとする。(別紙4(3)) また、今回の総点検まで安全上の問題が確認されない行為が継続していた水力、火力発電所(125水力発電所、5火力発電所の計130発電所)に対しては、技術基準の適合状況の確認の観点から電気事業法第107条に基づく立入検査を実施する。(別紙4(21)) 4.2.電力会社及びメーカーに対する要求 (1) 各電力会社が、再発防止対策を具体的に実現していくために、時間軸の入った行動計画等を策定するよう求める。(別紙4(4)) (2) 原子力の各主要メーカーが、原子力の安全水準の向上のための情報共有の仕組みを含めた行動計画を策定するよう求める。(別紙4(5)) 4.3.その他の対応 (原子力) (1)原子力保安検査官の施設へのフリーアクセスの徹底(別紙4(9)) (2)原子炉主任技術者の独立性が担保された体制の整備(別紙4(12)) (3)制御棒引き抜け等の報告義務化(別紙4(13)) (4)原子力発電施設の保安検査の結果の公開(別紙4(14)) 等 (水力、火力) (1)電気事業法に基づく保安規程の記載内容の充実(別紙4(22)) (2)火力、水力に係る規格基準の見直し(別紙4(25)) 等 (中略) 4.4.原子力分野の事案の評価結果 (1)評価対象とした事案数 電力各社から報告のあった原子力分野の事案数は、合計98事案であり、これらを評価対象とした。 (2)評価結果 事業者から報告のあった事案(合計98事案)に対する保安院の評価結果は、「原子力発電設備における総点検により検出された事案の評価」(別表1)のとおりである。 原子炉等規制法又は電気事業法が安全を確保するために設けている規制に抵触し、同法が確保しようとする安全が損なわれたもの又は損なわれたおそれのあるもの(評価区分T)は、11事案であった。評価区分Tと評価した事案についての詳細を「原子力発電設備に係る個別事案評価(評価区分T)」(別紙1)に示す。 また、原子炉等規制法又は電気事業法が安全を確保するために設けている規制に抵触したが、当該抵触によって直ちに安全が損なわれなかったこと又は損なわれるおそれがなかったことが4月20日までに確認又は評価されているものの、コンプライアンスの観点からは問題があったもの(評価区分U)は、38事案であった。 なお、事業者から報告のあった98事案については、各原子力発電所の立地地域にある原子力保安検査官事務所において事実確認を行うとともに、現時点では当該事案が継続されていないことを確認している。 (3)評価区分Tと評価した11事案 評価区分Tと評価した11事案の概要は、以下のとおりである。 @残留熱除去冷却中間ポンプ(A)起動の不正表示 発電所:東京電力柏崎刈羽原子力発電所1号機 発生時期:平成 4 年 5 月 概 要:残留熱除去冷却中間ポンプ(A)の電動機が故障していたにもかかわらず、中央制御室の表示灯には起動しているように不正に表示して、非常用ディーゼル発電機等の機能検査(定期検査)を受けた。その後、保安規定で要求されている他系統の健全性を確認 することなく、原子炉を起動させた。 A制御棒引き抜けに伴う原子炉臨界と運転日誌等の改ざん 発電所:東京電力福島第一原子力発電所3号機 発生時期:昭和 53 年 11 月 概 要:定期検査期間中に、水圧制御ユニットの隔離作業の不手際により、5本の制御棒が引き抜け、臨界状態に至った。その時の当直は臨界発生の認識がなく特段の対応をとらなかったため、7時間半にわたり臨界状態が継続した。また、運転日誌を改ざんし、事実を隠した。なお、原子炉圧力容器の上蓋は閉じていた。 B制御棒駆動機構の工事計画及び使用前検査の不正 発電所:東京電力福島第二原子力発電所4号機 発生時期:昭和 63 年 10 月〜平成 2 年 1 月 概 要:制御棒駆動機構(CRD)の単体でのスクラム試験(定期検査対象)時に、制御棒駆動機構が破損したため、必要とされる工事計画の届出をせず、また使用前検査を受けることなく、予備品への取替工事を行った。また、平成2年の次回定期検査において、取替用の制御棒駆動機構の使用前検査を模造品にて受検するとともに、前回定期検査時に破損した制御棒駆動機構と同一の製造番号を持つものを製作し、これも工事計画の届出をせず、また使用前検査を受けることなく、取替の工事を行った。 C原子炉停止中に発生した臨界事故(定期検査期間中) 発電所:北陸電力志賀原子力発電所1号機 発生時期:平成 11 年 6 月 概 要:定期検査期間中に、水圧制御ユニットの隔離作業の不手際により、3本の制御棒が引き抜けたため臨界事故が発生した。北陸電力は本件について運転日誌等を改ざんし、法令で求められる国への報告を行わなかった。原因究明と再発防止対策も講じなかった。なお、原子炉格納容器及び原子炉圧力容器の上蓋は開いていた。 Dディーゼル機関冷却水漏れの補修に際しての他系列作動の未確認 発電所:中国電力島根原子力発電所2号機 発生時期:平成 10 年 5 月 概 要:定格出力運転中、非常用ディーゼル発電機1系列が使用不能であったにもかかわらず、運転を継続する上で保安規定で要求されている他系列についての試験を行ったことの記録を確認できなかった。 E高圧注水系主塞止弁(HPCI MSV)開不良時の補修に際しての他系列作動の未確認 発電所:中国電力島根原子力発電所1号機 発生時期:平成 13 年 6 月 概 要:定格出力運転中、主塞止弁が開不良であったため補修が行われたが、運転を継続する上で保安規定で要求されている代替の非常用炉心冷却系が動作可能であることの確認を行ったことの記録を確認できなかった。 F格納容器漏えい率検査における均圧弁に係る不正操作 発電所:日本原子力発電敦賀発電所2号機 発生時期:平成 9 年 7 月 概 要:原子炉格納容器漏えい率検査の実施に当たり、漏えいが特定された通常用エアロックの内側均圧弁の出口に、適切な社内手続きを経ずに閉止板を取り付け検査を受検した。なお、閉止板の取付について、国の検査官に伝えなかった。その後、均圧弁を取り替えて原子炉を起動したが、事前に局部漏えい率試験による確認を行わなかった。(6ヶ月後に実施) G復水貯蔵タンクの外面腐食事象の隠ぺい 発電所:日本原子力発電敦賀発電所1号機 発生時期:平成 7 年 9 月〜12 年 3 月 概 要:タンク下部の腐食により板厚が工事計画認可申請書に記載されている必要最小肉厚を下回ったが、必要な強度の確認をすることなく、タンク水位を下げてそのまま継続して使用した。 H一次冷却材の微少漏えい事象発生時期の隠ぺい 発電所:日本原子力発電敦賀発電所2号機 発生時期:平成 8 年 4 月〜12 月 概 要:格納容器内の配管に漏えいを発見した際に、運転を停止して補修すべきところ、その事実を隠ぺいし、約 8 ヶ月間程度、その状態で運転を継続した。 I非常用ディーゼル発電機の気密性を持たせるための部品(ガスケット)交換工事に際しての他系統作動の未確認 発電所:日本原子力発電敦賀発電所2号機 発生時期:平成 6 年 1 月 概 要:非常用ディーゼル発電機の冷却水系統に漏水が発生したが、保安規定において運転を継続する上で求められる他系統の健全性を確認せずに運転を継続した。 J原子炉建屋ガス処理系機能検査における流量データの改ざん 発電所:日本原子力発電鞄穴C第二発電所 発生時期:平成 13 年以前(時期は確定できず) 概 要:非常用ガス処理系の機能検査(定期検査対象)において、風量が規定の流量を満足しなかったため、計器調整で規定の流量を満足しているようにデータ改ざんを行い、その状態で運転を継続した。 (4)その他の事案 電力各社の総点検報告書とりまとめに関連して個別に公表された事案(上記(3)を除く。)のうち、主なものの評価は以下のとおり。 @原子炉自動停止の未報告事案 東京電力福島第一原子力発電所2号機(昭和59年10月)、東京電力福島第二原子力発電所1号機(昭和60年11月)、柏崎刈羽原子力発電所1号機(平成4年2月)及び東北電力女川原子力発電所1号機(平成10年6月)における原子炉自動停止を報告しなかった事案については、原子炉等規制法に抵触したが、原子炉起動操作中や停止操作中の低い出力において安全装置が自動的に作動したものであり、当該抵触によって直ちに安全が損なわれたものではなかったものとして、評価区分Uとした。 Aその他の想定外の制御棒引き抜け事案 東北電力女川原子力発電所1号機(昭和63年7月)、東京電力福島第一原子力発電所2号機(昭和55年9月)、福島第一原子力発電所4号機(平成10年2月)、福島第一原子力発電所5号機(昭和54年2月)、福島第二原子力発電所3号機(平成5年6月)、柏崎刈羽原子力発電所1号機(平成12年4月)、柏崎刈羽原子力発電所6号機(平成8年6月)及び中部電力浜岡原子力発電所3号機(平成3年5月)の8件については、想定外の制御棒の引き抜けの事案であるが、臨界はなく、改ざん等は確認されていないため、評価区分Wとした。 B動作表示ランプの偽装 中国電力島根原子力発電所1号機(平成13年4月)において、非常用炉心冷却装置の一つである弁の作動試験で動作ランプが点灯せず、次のステップに進めるためには点灯する必要があったことから、回路を変更して点灯させるよう偽装した事案については、安全確保上求められている法令要求に抵触しないことから、評価区分Vとした。 (後略) |
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