[2008_05_21_01]柏崎原発の地震想定国内最大(新潟日報2008年5月21日)
 

柏崎原発の地震想定国内最大

 東京電力柏崎刈羽原発が昨年7月の中越沖地震で被災したことを受け、東電が新たに策定中の同原発周辺で将来起こり得る地震の揺れの強さを示した「基準地震動」が、国内の原発では最大の値になる見通しであることが20日、分かった。基準地震動(加速度=単位ガル)は、これまで最大だった中部電力浜岡原発の 1000ガルを上回る見込み。専門家は1360―2000ガル程度になるとみている。

 東電は近く基準地震動の素案を国の作業部会に報告する考え。同地震動の策定は東電にとって、耐震補強を検討する際の指標になるなど運転再開を見据えた重要なステップといえる。

 基準地震動は、原発の地下にある一定の硬さの地層(基盤)を対象に設定。同原発1号機では地下250―300メートルの深さがこれに当たる。建設時に設定した値は「450ガル」だった。

 しかし、中越沖地震では、1号機基礎版(岩盤)上の地震計で680ガルを記録。さらに、地下約250メートル地点にある地震計で993ガルを記録していた。

 地震動が専門の入倉孝次郎・愛知工業大客員教授は「基準地震動を考える基盤地点では、震源からの揺れと、それが基盤面ではね返る同規模の揺れとの2つを検討しなければならない」と指摘する。

 複数の専門家によると、少なくとも実際に観測された値の2倍ほどが必要とし、2000ガル程度の想定が妥当だとしている。

 東電は「原子炉建屋に伝わる揺れは、中越沖で記録した値を下回る想定はあり得ない」としており、これまでに設定されていない規模の基準地震動となるのは確実だ。

 東電は、中越沖地震が建設時の基準地震動を上回ったことを受け、周辺の陸海域で地質調査を実施。活断層や地質の特徴などから、新たな同地震動の検討を進めてきた。

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