[2006_04_17_01]原発耐震指針 直下型へ備え厳格に 安全委改定 個別の立地考慮(日経新聞2006年4月17日)
 
 国の原子力安全委員会は原子力発電所の新しい耐震設計審査指針(耐震指針)を大筋で固めた。活断層が近くに見つからない原発は、これまで直下型地震を最大マグニチュード(M)6・5と想定してきたが、この一律設定を廃止する。地震の大きさでなく建物がどの程度揺れるかを、全国の地震記録と立地地盤などから各原発が決める。直下型への備えをより厳格に求めている。
 全国17カ所にある原発のうち9カ所が一律想定を採用しており、耐震補強に迫られる原発も出てきそうだ。電力各社は新指針に基づき今夏以降、既存原発を再評価することになる。
 北陸電力・志賀原発2号機の運転差し止めを求めた3月の金沢地裁判決は、直下型地震の想定が小さいことや設計時には見つかっていなかった新たな活断層の影響を考慮していない点などを問題にした。安全委は「新指針で判決が指摘した課題を解消できる」とみている。
 新指針は28日の耐震指針検討分科会で了承される見通し。6月にも安全委で最終決定する。
 原発立地周辺で過去に起きた地震についても、現行指針では5万年間動いていない活断層は想定外としてきたが、新指針では12万−13万年前までさかのぼることになった。
 近くに活断層が見つかっている8カ所の原発も、過去さらに大きな地震が発生していなかったかを確認しなければならない。
KEY_WORD:金沢地裁_運転差し止め判決_:SIKA_: