[1999_01_31_01]海底に地滑り跡・断層 パプア近海 津波調査船が発見(朝日新聞1999年1月31日)
 パプアニューギニアで昨年夏の地震によって起こった大津波を調べている海岸科学技術センター(平野拓也理事長)は、深海調査研究船「かいれい」の観測で、被害があった海岸から約50キロ沖の海底に、幅10キロ程度の大きな地すべりの跡を発見した。また、横ずれ断層や海岸部に向かって深い谷間になっている部分も見つかった。地滑りと断層によって津波が引き起こされ、海底谷で増幅された可能性が高まった。同センターは今後、深海探査機「ドルフィンー3K」を使って潜航調査する方針だ。
 「かいれい」による調査は、今月初旬、十日間かけて行われた。震源地と見られる場所の海域の地形を音波を使って測定し、詳しい海底図をつくった。15メートル以上の津波が襲ったとされる海岸部の東端から、沖に向かってまっすぐ深い谷が延びているのを確認。そのすぐ南西に幅10キロ程度の地滑り、地滑りの南西隣に横ずれ断層が見つかった。
 同センター深海研究部の松本剛・研究副主幹は「地滑りか断層の部分で津波が発生し、谷で増幅して大きい津波になった可能性がある」と推定する。この断層や地滑りが新しくできたものかどうかなどを詳しく調べるため、深海探査機で潜航調査をすることにした。深さ200メートル以内の海底についても調査する予定だ。
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