[1989_03_31_01]五助橋断層は大きな右ずれ断層 神戸の自然シリーズ21 六甲山はどうしてできたか(神戸市教育研究所1989年3月31日)
 
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五助橋断層は大きな右ずれ断層 神戸の自然シリーズ21 六甲山はどうしてできたか

 五助谷は本流の住吉川に合流する手前で大きく半円状に曲がって流れる。この曲がりの所に五助橋断層があらわれている。こうした断層に沿う曲がり(引きずり)は東の西滝ヶ谷でもみとめられる。これは断層を境にして北側が右方向に動いたために流路が変わったものである。
 この五助橋断層は、東お多福山の丹波層群が、もとは五助ダムの南から金鳥山、保久良神社にかけて分布する丹波層群と一つづきであったものが、断層の活動でずれ動き、水平変位量4kmにも及ぶ大きな右ずれ断層であることがわかる(地質図参照)。
 しかも五助橋断層の北側の六甲山地は断層を境に300m以上も高くなっているが、これについてはすでに東六甲の階段地形の項で説明した。五助橋断層は東六甲を主峰と荒地山とに2分する大断層であり、その破砕帯を流れるのが住吉川である。土砂崩壊量の多さはこうした地質要因に深くかかわる。防災上、六甲山地の中では住吉川流域が重視されるわけである。


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