[1978_11_21_01]川内原発の地質地盤調査のコア試料の差し替え疑惑(科学技術振興対策特別委員会1978年11月21日)
 
参照元
川内原発の地質地盤調査のコア試料の差し替え疑惑

第082回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
昭和五十二年十一月二十一日(月曜日)
   午後二時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     中村 太郎君     源田  実君
     北  修二君     玉置 和郎君
     伊江 朝雄君     永野 嚴雄君
     高平 公友君     後藤 正夫君
     寺田 熊雄君     松前 達郎君
     穐山  篤君     栗原 俊夫君
     三治 重信君     中村 利次君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     栗原 俊夫君     久保  亘君
     塩出 啓典君     和泉 照雄君
     ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 房雄君
    理 事
                源田  実君
                藤川 一秋君
                森下 昭司君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                金丸 三郎君
                亀井 久興君
                後藤 正夫君
                鈴木 正一君
                田代由紀男君
                望月 邦夫君
                赤桐  操君
                久保  亘君
                松前 達郎君
                吉田 正雄君
                和泉 照雄君
                中村 利次君
                柿沢 弘治君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      半澤 治雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       科学技術庁原子
       力安全局次長   佐藤 兼二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       科学技術庁原子
       力安全局原子炉
       規制課長     松田  泰君
   参考人
       九州電力株式会
       社常務取締役   浅田 良太君
       株式会社西日本
       地下工業社長   田中 健一君
       日特建設株式会
       社福岡支店鹿児
       島営業所所長   吉田 幸男君
       川内市議会議員  池満  洋君
       農     業  中野 近夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (原子力発電の立地問題等に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(藤原房雄君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 一昨十九日、中村太郎君、寺田熊雄君、穐山篤君、三治重信君、北修二君、伊江朝雄君及び高平公友君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として源田実君、松前達郎君、栗原俊夫君、中村利次君、玉置和郎君、永野嚴雄君及び後藤正夫君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、塩出啓典君及び栗原俊夫君が委員を辞任され、その補欠として和泉照雄君及び久保亘君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(藤原房雄君) 次に、理事の補欠選任につきましてお諮りいたします。
 ただいま御報告いたしました委員の異動に伴い、理事が欠員となっていますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原房雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に源田実君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(藤原房雄君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 本日は、原子力発電の立地問題等に関する件について、九州電力株式会社常務取締役浅田良太君、株式会社西日本地下工業社長田中健一君、日特建設株式会社福岡支店鹿児島営業所所長吉田幸男君、川内市議会議員池満洋君、農業中野近夫君、以上五名の方々に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、皆様には御多用中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。どうか忌憚のない御意見をお述べくださいますようお願いいたします。
 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。
 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○望月邦夫君 私は、まず最初に西日本地下の田中さんとそれから日特建設の吉田さんにお伺いいたしますが、あなた方二人は直接現場を担当しておられた方であるかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(吉田幸男君) 直接担当いたしました。
○参考人(田中健一君) 直接担当しております。
○望月邦夫君 それでは、あなた方の会社と九州電力との契約におきまして、その工事の支払いの条件というものはどういう条件であったか、ひとつお述べ願いたいと思います。
○参考人(田中健一君) ボーリングの深度で契約をしております。
○参考人(吉田幸男君) 掘削ボーリングのメーター長によって精算することに契約されております。
○望月邦夫君 そういたしますと、当然のことですが、コアの採取がどうこうであるということにつきましては、そういう支払いには関係はないというふうに思うわけでございますが、それでは九州電力の浅田さんと、それからいまの田中さん、吉田さんにコアが差しかえられたというふうな話が出た、そのときに、あなた方三人がそれぞれの社においてとられました対策、処置というものはどういうものであったか、ひとつお述べ願いたいと思います。
○参考人(浅田良太君) 私ども、そのお話がありましてから、まず田中参考人、それから古田参考人、そういう方に来ていただきまして事情をお聞きいたしました。
 それから、社内では、この川内原子力のボーリングに関係をいたしました土木の社員に、やはりこういう事実の有無につきまして確認をいたしました。
 それから、コアの現物につきまして地質の専門家二人に、これは別々の所属の二人でございますが、二人に依頼をいたしましてコアのチェックを行いました。
 以上でございます。
○参考人(田中健一君) 私どもは径六十六ミリで調査を行い、予定深度まで行きましたときには九州電力の技術員から最終深度の検尺を受けております。
 さらに作業中は中間報告をすること、または技術管理、施工管理においては徹底してやっておりました。
 以上です。
○参考人(吉田幸男君) このような話題が出ました時点で、浅田参考人も申し述べましたように、私ども九州電力の方から呼ばれまして、大至急その実情を調査するようにということで、もちろん私自身もそのようなうわさを気にしましたんで、社内では各機長並びに連絡のとれる作業員にそのような事実があったかどうかを調査いたしました。
○望月邦夫君 その調査の結果によって、あなた方はもちろんだろうと思いますが、あなた方の会社の中でボーリングのコアを差しかえろというふうな指示をしたという事実は全然なかったととってよろしいですか、どうですか。
○参考人(浅田良太君) 全然ございません。
○参考人(田中健一君) 全然ございません。
○参考人(吉田幸男君) 全然ございません。
○望月邦夫君 それでは中野参考人にお伺いいたします。
 あなたはいつごろその調査現場に関係しておられたんですか、そしてどういう作業をしておられましたか。
○参考人(中野近夫君) 昭和四十二年の八月か九月ごろから四十三年の初めごろまでだったと思います。で、作業に行った当時はその仕事になれないもんだから、あっちこっち機械を移動するとか、掘進するてもととして回っておりました。
○望月邦夫君 そうすると、あなた自身はボーリングそのものにはタッチしてなかったと。そして、そのときのことにおいてボーリングのコアが差しかえられたというふうなことが言われておるんですが、あなた自身がおやりになったことではないんですか。それともだれかがやったということをお聞きになったということでございますか。
○参考人(中野近夫君) 最初はもちろん、てもとでありましたので、なれた人らがやるのを見ていました。
○望月邦夫君 それで、いまお聞きのように、九電もボーリング会社も差しかえというようなことは夢にも考えていなかったと。そうなりますと、やっぱり現場の作業の人がやったというふうなことに考えざるを得ないわけでございます。それで、あなたのお聞きになった人はだれであって、どういう動機でそういうことをしたとお考えになりましたか。
○参考人(中野近夫君) 済みません、もう一回聞かしてください。
○望月邦夫君 あなたは、ボーリングのコアの差しかえがあったということをお聞きになったわけでしょう。
○参考人(中野近夫君) 聞いたんでなくして見たんです、この目で。
○望月邦夫君 そうしたら、その見られた方の実名はおわかりですか。やっていたことを、した人を御存じですか。
○参考人(中野近夫君) 名前をはっきり言わなければいかぬのですか。
○望月邦夫君 これは結局、岩盤というものはだれが見ても一つなんですよ。だから、お互いがやはりこういう人がこういうことをしたということを、私は本当に良心的にやるならば両者が立ち会って検討するというのがたてまえじゃないかというふうに思うわけです。それで、あなた、そのもし差しかえの現場を見たとおっしゃるならば、注文している会社は何もやってくれと言っていないんだから、どういう動機でおやりになったとお考えになっていますか。
○参考人(中野近夫君) まあ、前後のわけは何か、どうなることか知りませんが、やったのを見たことは見たんです。
○望月邦夫君 どういうことをやっているのをごらんになりましたか。
○参考人(中野近夫君) コアを――掘進長とこう上がってきたコアと長さが一致しない場合は割って引き伸ばしたこともありました。
○望月邦夫君 これは、せっかく上がってきたボーリングを壊すということは、逆に申しますと非常に新鮮なコアを砕くわけですから、逆に破砕帯の長さをこれだけあったやつを大きくしたという結果になるんですよ。そうなりますと、池満さんが出しておられるビラを見ますと、コアを割ってそれをその間へ入れたとか、これは逆にいいやつを悪く見せるような行為になるわけです。
 それからもう一つ申し上げますと、私はこれ耳学問でやっているんじゃないんです、私は事実やってきた男ですから。だから、そういう石と破砕帯から出てくる石というのは一目見ればわかるんですがね。あなた方はどういう目的でそういうふうにおやりになったと――まああなたばかりに聞いてもむだですけれども――お考えになっていますか、いま。
○参考人(中野近夫君) いや、先生はどんな先生かよく知りませんが、最初やるのを見たのは私なんです。私も見た。よけい見ていますよ。後はちょっと仕事になれてきて自分もやりました。で、技術面がどうか知りませんが、やったことは事実です。
○望月邦夫君 いまあなたは自分でやったと言われましたね。
○参考人(中野近夫君) はい。
○望月邦夫君 初めは見たと言われましたね。
○参考人(中野近夫君) はい。
○望月邦夫君 あなたはどういうことをやられたんですか。
○参考人(中野近夫君) 最初入った当時はもちろん、てもとでありました。で、人がやるのを見ていました。ちょっとなれたもんだから人がやるように、前教わったみたい――いや教わったと言えばおかしいですが、そうしなければ、もしコアが上がってこなくて足らぬコアがあった場合は、何とかしてコア箱が満員にならにゃちょっと勝手が悪かったもんですから、後は自分がなれて大体任されるようになった時分は、自分も先輩の方がやったことをまねしてやりました。
○望月邦夫君 そうしたら、済みませんが、あなたがやったところをボーリング会社の人に話して、実際のコアの前で、両者がいろいろここをやったんだというふうな検討をされるつもりはございますか。
○参考人(中野近夫君) 済みません、もう一回後の方を言うて聞かしてください。
○望月邦夫君 あなたが差しかえやったと言われるなら、そのコアの前でボーリング会社の人と一緒にやって、本当にどういうことをやったということを知らして、あなたがやったことが本当であったかどうかということを立証するつもりはございませんかと言っている。
○参考人(中野近夫君) ちょっとわかりかねますが、返答……。
○望月邦夫君 余り時間がございませんのであれですが、要するに、あんたおやりになったというなら、ここをやったということをそのボーリングのコアの前で会社の人と立ち会って話し合ってみたらどうかと言っているんですよ。
○参考人(中野近夫君) 九年ぐらい前のことで、何メーターのところでどの穴でやったということははっきりと覚えていませんが、大体の見当はつきます。
○望月邦夫君 大体の見当ついても結構ですからやってください。
 それから池満さんにお伺いいたしますが、あなたはビラで、いまのようなボーリングのコアがどうやこうやという話がございますが、どなたとどなたからお聞きになってそういうことを言っておられるのか。また、あなたは直接その工事の現場に関係しておられたんですか、どうですか。
○参考人(池満洋君) そのボーリング工事には私は何ら関係はございません。昭和五十年の末方になったころだったんですが、私たちが、九州電力の久見崎の地盤には問題があると。これはかねて九州電力が発表しておりました資料の中にもそういうことがうたわれておりますので、独自の地盤調査をやった段階で、何名かの人からコアの差しかえを行ったという事実を聞いたわけでございます。で、そのことを私はずっと問題にしてまいりました。
○望月邦夫君 あなたが聞いたことを公表していただけませんか。
○参考人(池満洋君) ここにコアの差しかえをいたしました本人の中野さんが見えておりますし、さらに科学技術庁に対しまして四名のコア差しかえをしたという証言の内容について御報告を申し上げてありまして、その証人の名前は事情があって、科学技術庁が川内においでをいただいたときに具体的に打ち合わせの上で発表したいと、こういうことになっておりますので、そのほかの人の名前はいまの時点で発表することは差し控えさしていただきたいと思います。
○望月邦夫君 あなたはその公表した人のために発表しないと言うけれども、ボーリング会社にとってみれば、ボーリングのコアを差しかえたということは、会社にとっては非常に社会的に大きい打撃ですよ。それから、その信用の問題からいたしましても、営業上非常に損失をこうむるわけですね。あなたはこういう重要なことをやっているんですよ。だから、私はあなたの言われることを立証するためにも、またボーリング会社のためにも、あなた方自身が、あなたは市会議員として公的立場にある方が、やはりそういうことであるならば、両者がはっきりとその白黒をつけるような対策をなぜ立てられなかったんですか。そうでない限り、あなたの言われることに対して、われわれも立証の真実性というものを信ずるわけにいかないんです。
○参考人(池満洋君) 確かにボーリングのコアの差しかえをするということ、あるいは資料の捏造をするということは許されがたいことであろうかと思います。原子力発電所の建設というものについては、原子炉の安全性の問題とかいろいろな問題点がございますだけに、かたい基盤岩が要請をされておるわけです。そういう、特に川内に住んでおります住民にとってはきわめて重大な原子炉設置の基盤岩の調査においてボーリングコアの差しかえが行われたという事実は許しがたいことである、こういうことで私どもはその問題をいつの日にか国会において明らかにしたい、あるいは法廷において明らかにしたいと、こう思いながら今日まできておるわけです。それで、先ほど申し上げましたように、本日の参議院の参考人喚問が実現をいたしまして、幸いにしてこの事実を皆さん方にお認めをいただきましたならば、その後において科学技術庁の松田規制課長との間で、原子炉安全課長の松田さんとの間で、その四人の差しかえをしたという証人の証言についてはどのような方法で、いつどこでどういうふうにそのことを発表するか、その事情聴取をしていただくか、このことについては打ち合わせをすることに決定をいたしております。
○望月邦夫君 そんなこと言われても、この参議院に来て何も発表しなくて、こういううわさがあったからそれについてやるんだと言われたって、われわれはあなたの言っている証言を信用するわけにいきませんよ。
 それから、あなた、岩盤の基礎というものは、あなたも御存じのとおり、ある程度広い範囲に測線をつくりまして、そして碁盤の目のようにやるわけですよ。そして上からも下からも上下左右にあるわけですからね、その上にボーリングやるわけです。だから、故意にボーリング差しかえたところで、そういったやつを前後左右上下で検訂していけばおのずからわかってもくるし、またそういったことは無意味なんですよ。だから、あなたの言うていることが相当しっかりしたものでない限り、現在の技術上この岩盤がいいとか悪いとか、悪いというようなことは言えないんですよ。そのことを一つ申し上げておきます。
 そこで、浅田参考人に申し上げますが、そういう話があってからあなた方が調査され、そして今日における岩盤の結果はどうなっているか、ひとつお述べ願いたいと思います。
○参考人(浅田良太君) いまの御質問の趣旨がちょっとよく理解できなかったのでございますが、岩盤の状態につきましては、ボーリングの終わりました後でさらにそれをチェックし、詳細に調査を進めるために横坑を約八百メートル掘って、今度はボーリングでなしに現地でそれを確認いたしました。それからさらにその横坑の中で基盤に当たるところの岩石あるは岩盤、こういうものの調査、試験、圧縮試験とかいろいろ試験がございますが、そういう試験を行いまして、それで得られました数値によりまして基礎の岩盤の判定をいたしております。その結果、基礎は耐圧、地圧、地耐力も十分でありますし、それから不等沈下のおそれもない、さらにすべりに対しても十分安全であるというふうに解析結果を得ております。
○望月邦夫君 そういたしますと、当初、ずっとボーリングされて、そしてたとえ差しかえがあったにしろ、何にしろ、いままであなたの調査結果では当初から想定された岩盤と何ら変わりがないというふうに断言できますか。
○参考人(浅田良太君) 間違いなくそういうふうに言えると思います。
○金丸三郎君 池満参考人にまずお伺いいたします。時間がありませんので、もうイエス、ノーなり、答弁は簡潔にお願いします。
 ただいま望月委員から御質問がありました実際にコアを差しかえたと言う人があるのならば、科学技術庁との話し合いではなくって、きょうは大事なことですから、参議院のこの特別委員会に参考人としてあなたに出ていただいておるわけです。私はこの席で名前をおっしゃるべきだと思いますが、御返事を伺います。
 それから田中参考人と吉田参考人にお伺いいたします。
 私が聞いておりますところでは、ボーリングの機械には機長がついておって、この人が実際上の仕事を総括してやると聞いておりますが、そうでございますか。
 それから先ほどのお答えでお考えわかりましたけれども、お二人とも絶対に自分の会社が請け負ってやった限りにおいてはコアの差しかえはないと、こういうふうにお考えかどうか、それをお伺いいたします。
 関連いたしまして、時間がございませんので、局長にお伺いいたします。
 一つは、現在まで原子力の安全審査員二十三人のうち二十二人が川内の現場を調査されたと聞いておりますが、いかがですか。その中には地質関係の部会の委員全員も入っておられたと、こう聞いておりますが、いかがですか。
 その次は十月の下旬この問題に関連をいたしまして原子力委員の方が数名川内の現地を調査されたと聞いておりますが、なさったかどうか。その結果についてはどのように聞いておられるか。
 それから新聞の報道によりますというと、科学技術庁の職員の方が川内市におきまして機長数人についてコアの差しかえがあったかどうかということを調査された。これは事前にも記者会見をなさり、機長に事情聴取をなさった後でも記者会見をされたようでございます。また長崎県におきましてもそのような機長についての調査が行われたように聞いておりますが、全部で何人の機長がおられて、そのうち何人の機長について調査がおできになったか。そして調査に行かれた職員の報告はどうであったか、これをお伺いいたします。
 最後に、科学技術庁とされましては委員も現地にほとんど全員が出向かれ、今回もまた職員が現地に出向いて、一番現場の事情に明るい機長大部分の人について調査をされたようであります。その結果、この問題について現在どのように考えておられるのか。従来の調査によりまして、私はもう相当必要なデータは科学技術庁は持っておられるんじゃないか。現在のデータによりまして、いろいろ参考人のような御意見があります。ありますけれども、現在までに得られた材料、それからコアの差しかえがあったというような問題につきましても、また委員を派遣されたり、職員を派遣されたりして調査して帰っていらっしゃる。その報告に基づいて、資料としては正しい資料を必要にして十分なだけもう科学技術庁は持っておるとお考えなのかどうか、これをお伺いいたします。
○参考人(池満洋君) この席で証人の名前を発表しろと、こういうことであったかと思うんですけれども、実は私どもが数名の方々からそういったコアの差しかえ、コア箱の整理の段階において資料捏造をしたということをお聞きしましてから、九州電力あるいは施工業者が当時の作業員の名簿等を持っていろいろ工作をし、当たっておる、こういうことを私どもは承知しております。したがいまして、残念ながら、その名前を今日まで明かしていない、こういうことでございますので、その点については御勘弁をいただきたいと思います。
○参考人(田中健一君) ボーリングの機長は、ボーリングの仕事の総括をやっております。
 コアの差しかえですが、私どもは信用を第一とする企業でございます。コアが取れないところは正直に、空白のところに仕切り板を入れて、この空白のところはコアが取れておりませんと、正直に報告しております。
 以上です。

○参考人(吉田幸男君) 金丸先生のお話、最初の機長は責任持っていたかということ、これはコアをば総括責任者である私の方に提出するまでは、一切機長の責任で管理し、作業をしております。
 次の、コアの差しかえの問題。いま田中参考人もお話し申しましたけれども、全く同じで、絶対に私どもはそういうことなかったと、調査の結果そのように信じております。
○政府委員(牧村信之君) まず最初の、安全審査会の審査委員の現地調査はどのように行ったかという御質問でございますが、現在までにおきまして、審査会の先生二十三名中二十二名の方が、それぞれの御専門の事柄につきまして現地の調査を行っております。そのうち、地盤関係の審査を御担当の先生方は、全員現地調査をいたしております。
 で、現地調査におきます審査の、現地調査の内容につきましては、地質地盤関係につきまして地表の調査、それから先ほどもちょっとお話が出ておりましたが、炉心上部に、炉心のところに掘りました試掘坑の調査をいたしております。また、ボーリングのコアが会社に保存されておりますので、それの調査もいたしております。
 なお、ボーリングコアに差しかえがあるというような御指摘を受けました後、十月の二十二日、二十三日及び十月の二十二日には、安全審査会の先生と、並びに当庁の審査をお手伝いしております審査官が、専門委員三名並びに職員四名が二回に分かれまして現地のボーリングコアの調査をいたしております。これは指摘をされました約十七本のコア及びそれらに関連いたしますコアにつきまして技術的な調査を行ったものでございます。
 それからボーリングを行いました会社の機長等について、どのような作業を行ったかということの調査の内容の御質問でございますが、当方といたしましては、このようなコアの差しかえというような御指摘を受けました関係で、どのような作業が行われたかということを調査することが重要であるというふうなことで、これは科学技術庁が行ったわけでございますが、ボーリング機械ごとに機長というのがつく、その下に何人かの作業者がついて、実際の作業が行われるということでございますので、機長さんにそういうお話を承ることが、どのような作業が行われたかということをお伺いするのに一番いい方法であろうかということで……
○金丸三郎君 答弁は簡潔にしてください。
○政府委員(牧村信之君) はい、わかりました。
 それで、そういうことで作業をしたわけでございますが、九州電力が行いましたボーリングで対象となる機長さんは十九名でございました。ところが、現在行方不明の方などもおるわけでございますけれども、そういうような方を除きまして、十四名の方に作業内容をお伺いしております。したがいまして、その行いました場所は川内並びに長崎で行っております。合計十四名の方に話を伺っております。
 それから最後の科学技術庁として安全審査をし得るのに必要なデータがそろったかというお話でございますが、先ほどもお話しいたしましたように、審査会といたしましては、当初九州電力から出てきた地質に関する資料並びに実はこの審査を進めていく上に当たりまして、安全審査会として必要な追加のボーリングを指示してございます。地質についてさらに詳細にチェックする必要性があったということで追加ボーリングをやっております。この追加ボーリングの結果、それから先ほどお話しいたしましたような試掘坑の調査並びに地質全体の条件を調べるというようなことでの弾性波の調査などをやっておる、そういうようなもろもろの結果を踏まえまして、審査を進めておるわけでございます。したがいまして、この地質のあるいは地盤の調査というのは、そういうようないろいろなデータを加味してクロスチェックをするという体制で安全審査が進められるわけでございます。さらにこの御指摘がありましたので、指摘に応じて再度実地にボーリングのコアにつきまして、専門家の目から見たボーリングコアの判断並びにその結果、九電が出しております審査に提出いたしました資料の信憑性等々につきまして、十分な審査を現在実行中でございます。私どもといたしましては、これらの資料がございました――相当入手しておるわけでごさいますので、十分安全を審査するのに必要な客観的なデータは、安全審査会におきましてすでに入手されておるというふうに判断しておるところでございます。
○金丸三郎君 池満さんに申し上げたいんですが、もう相当時間が経過しておりますので、まだ十分に打ち合わせたり調査しなければ氏名は明かせないとおっしゃるのは私は大変納得ができないんです。あなたも川内の市会議員をしていらっしゃいますが、昨年の一月の十九日に川内市の議会のこの問題の特別委員会は、結局あなたのおっしゃる人の名前を市議会に明らかにできないままでもう終わっております。この問題については地元の川内市議会ではすでに私は決着はついている問題だと思うんです。で、本日あなたに来ていただいたのは、科学技術庁その他とは別に、この委員会の必要から来ていただいて、必要なことをあなたに言っていただきたいと、こう申しておるわけですから、その点お考え直しを願って、できるならやっぱり名前を明らかになさらないというと信憑性が非常に疑われる、私はこう思います。
 なお、局長の御答弁は承りました、必要な資料が得られておるのであれば、本日の参考人の意見もまた参考にされまして、もう長い問題でございます。私が関係してからでももう十年近い問題であります。国の原子力の発電の問題、エネルギーの問題をよく考えていただいて、私は所信に向かって事務的な手続をどしどしお進めになるべきだと、ぜひそのようにしてもらいたいと要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○久保亘君 私が質問をいたしますのは、原発立地地盤の是非を専門的、科学的にどう判断するかという立場ではありません。たとえ差しかえがあったにしても、地盤は大丈夫かなどというようなことは私がきょうお尋ねしようとする趣旨の問題ではありません。私がお尋ねしようとしているのは、原子力の開発については住民の信頼と納得がなければ進められないというのが、科学技術庁の基本の精神だと私は承知をいたしております。そういう立場に立てば、コアの差しかえなどが現実に行われたという事実が存在する場合には、それに対して明確な住民の理解を得るような答えを出さなければ進められないのではないかと、こういう立場でお尋ねをするのであります。参考人の皆さんはその点について十分御理解の上お答えをいただきたいと思います。
 中野参考人は、先ほどの質問の中で、九州電力の地質調査のためのボーリングの仕事に従事をされたということでありますが、時期は先ほど言われた四十二年の八、九月ごろから四十三年の初めごろまでということで間違いありませんか。
○参考人(中野近夫君) 間違いありません。
○久保亘君 その仕事に携わられるとき、地質調査は何の目的で行われるのであるかを御承知になっておりましたか。
○参考人(中野近夫君) 承知していました。
○久保亘君 どういうふうに承知をされておりましたか。
○参考人(中野近夫君) もう一回問題を出してください。
○久保亘君 地質調査の目的を知っておったと言われましたので、たとえばこれは原発をつくるために地質調査が行われるのだということを知っておられたのですかという意味です。そういう意味で目的を知っておられましたかということです。
○参考人(中野近夫君) はい、それは知っていました。
○久保亘君 参考人が仕事をされたボーリングは大体何本ぐらいの個所でしょうか。
○参考人(中野近夫君) 何本とはっきり覚えてないですけど、あっちこっちてもとで回っていましたので、十数本じゃなかろうかと記憶しています。
○久保亘君 あなたは先ほどから出ております機長という仕事をおやりになったことがありますか。
○参考人(中野近夫君) 機長か何かわかりませんが、一応任されて掘らされた穴があります。
○久保亘君 あなたがされたその仕事は、ここに見えております吉田参考人、田中参考人、これらの方々の会社の仕事ですか。
○参考人(中野近夫君) 日特建設の仕事でした。
○久保亘君 それでは吉田参考人は中野参考人を御存じでしょうか。それから中野参考人にボーリングの責任を持たせる仕事をあなたの会社はおやりになったことがありますか。
○参考人(吉田幸男君) 私、当時責任者としまして、中野参考人をば現場で作業に従事さした記憶がございます。
 次に先生の御質問の責任者として使ったことがあるかという御質問でございますが、一切ございません。
○久保亘君 中野参考人、あなたが責任を持って仕事をされたボーリングはないということでありますが、あなた自身は、自分が任されて、そこの一つの穴を掘るのにあなたがそこの責任者としておやりになったボーリングがあったということをあなたは記憶されておりますか。
○参考人(中野近夫君) 記憶しています。
○久保亘君 それではそのあなたが責任を持ってやられた個所というのは、私ここへ九州電力からもらいました図面がありますが、これでひとつ、もしわかりましたら確認をしてください。(図面を示す)
○委員長(藤原房雄君) 速記ちょっととめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(藤原房雄君) 速記を起こしてください。
○久保亘君 じゃあ、いま参考人の記憶で示されましたこの二百十六号というボーリングについては、吉田参考人、それではこれはだれの責任でボーリングをされたのかというのは、当時の記録を確かめればはっきりいたしますね。
○参考人(吉田幸男君) はっきりいたします。
○久保亘君 中野参考人は、このボーリングについては自分が責任を持たされた場所だと言われておりますが、この問題についてはまた明確にしていただきたいと思っております。
 参考人は関係したボーリングの中で、コアが非常に採取しにくいといいますか、ボーリングをしてもコアが取れない、そういうような場面に何回か遭遇されたというか、そういう経験をお持ちになっておりますか。
○参考人(中野近夫君) あそこの現場はしょっちゅうそんなことがありました。どの穴もです。
○久保亘君 その際、いま問題になっておりますほかのボーリングの個所のコアをもらってきて埋め合わせてみたり、あるいはそこから上がってきたコアを砕いて延ばして使ったり、そういうようなことがやられたという話があると私は聞いておるのでありますが、あなたはそういうようなほかのボーリングの個所のコアをもらってきて使ったり、あるいは自分のところのボーリングで上がってきたコアを砕いて延ばして使ったり、あるいは余った物をほかのボーリングをやっている人に譲ってやったり、そういうようなことをおやりになった経験がございますか。
○参考人(中野近夫君) 最初入った当時は、人が、先輩方がやっているのを見ていました。で、後で大体なれてきましてから自分もやったのを覚えています。
○久保亘君 当時、そういうコアの予備をストックしておいてやったり取ったりするために、あなた方作業に従事している人たちの仲間の間で特殊な呼び方が行われていたと私は聞いておりますが、そのコアの余った分をストックをしておく、ためておく、後で操作をするためにためておくことを当時あなた方は何と呼んでおりましたか。
○参考人(中野近夫君) 通常、貯金と言っていました。
○久保亘君 そういうあなた方の方の間で貯金という呼称で呼ばれるようなコアのストックが行われて、そしてそれがやったり取ったりされることは、それは地質調査の資料が正確に得られないことになるだろうということは、そういうことをおやりになるときもあなた方は承知しておられましたか。
○参考人(中野近夫君) 承知はしていましたけど、川内市は、市長さんはもちろん川内市総上げで早期建設の声が高まっていましたし、いい結果を出さなければ佐賀からとられるというような励ましもありまして、一日でも早くいいような成績を出そうと思ってみんなそんなふうでやっていたといま考えています、いやその当時から考えていました。
○久保亘君 先ほど吉田参考人と田中参考人は九電との契約はボーリングの深度によって支払われる契約になっておったということを言われておりますが、結局作業が早く九電の望む方向で進めば、あなた方としても非常に有利な条件になる契約であったんだなという感じが私はちょっとさっきしたのであります。しかし、それを別にあなた方がそういうことを故意におやりになったという意味ではありません。
 そこで中野参考人にお聞きしたいのは、ボーリングに、あなたがボーリングの仕事に行かれるときに直接の監督者というか、あるいはいまここに見えている吉田参考人のように現場に直接責任を持っておられた方、田中参考人のように直接現場に責任を持っておられた方から、コアというのはこういう重大なものであるから、絶対これを入れかえたり操作をしたりしてはいかぬものだぞと、ボーリングをしたとおりにコア箱に並べろというようなことについて注意を受けた記憶がありますか。
○参考人(中野近夫君) 吉田所長からは注意されたことがたびたびありました。
○久保亘君 それであなたがそういうことでこんなコアの差しかえなどを現場におけるあなたの作業に従事をした者としての立場でおやりになったということですが、こういうことについてはあなたよりも上の人――直接あなたは日特からあなたは雇用されておりましたか、それとも日特がさらに下請に出してそこにあなたは雇用されたんですか、それはどちらでしょう。
○参考人(中野近夫君) 日特……、はっきり覚えてないですが、日特から直接頼まれたような気はしません。下請の人が、下請のおやじが、何ですか、下請の同輩ですか、同士をやって私がそこに行くようになりました。
○久保亘君 吉田参考人はいま中野参考人が供述、公述されておりますようなことが作業員の仲間で貯金と呼ばれて、融通しあったりあるいは自分のところで上がったコアを砕いて実際には三十センチしか上がらなかったものを五十センチ上がったように見せかけたり、そういうようなことをやっていたんだというようなことをいま言われておりますが、そのようなことが行われていた事実を全く御承知になりませんでしたか。
○参考人(吉田幸男君) いま先生の御質問ですが、先ほど中野参考人も証言していますように、コアは大切なものだと、これは十分、私現場に言っておりますからそのようなうわさを聞いたら私地質者としましてただ放置するようなことはいたしておりません。それなりのしっかりとした処置をとっているはずでございます。
 それから一切、貯金なんという言葉は初めて聞きました。そういうことです。
○久保亘君 それじゃ吉田さんね、あなたは川内市にいる井竜水夫という人を知っておりますか。
○参考人(吉田幸男君) 存じ上げております。
○久保亘君 その井竜水夫という人がそのコアの操作についてあなたに話をしたことはありませんか。
○参考人(吉田幸男君) コアの操作、コアという意味と問題あると思いますけれども、そういう事態があったことは承知しております。そのことはまた報告いたしております。
○久保亘君 それは、あなたからさらに下請として受けた人か、あるいは何か知りませんがね、その責任者に命ぜられてこの井竜さんという人が川の中の石か砂利をとってきて並べたんだというような話をあなたにしたことがあるのではないかと思いますが、それをあなたお聞きになったことがありますね。
○参考人(吉田幸男君) 聞いたことはございます。
○久保亘君 そのことについてあなたは、実は井竜がこういうことを言うとるんだというようなことで、ほかの人に話をされたことがありますね。
○参考人(吉田幸男君) ございます。
○久保亘君 では、あなたがいまさっきそういうコア箱の操作などというのは一切ございませんと言われたけれども、少なくともあなたはいまこの井竜水夫という人がそういうことをやったということをあなたに言い、あなたもそれを聞いた、ほかの人にも話したことがあると言われた、そしてそれは報告いたしておりますと言われた。じゃあそういう事実が現にあったことは認めなければならないんじゃありませんか。
○参考人(吉田幸男君) そういう行為があったということを聞きまして、その砂並びに砂れきですか、どういう目的のために運ばしたのか、その事実をば確かめました。その上でそれは――よろしゅうございますか、詳しく話しまして。
○久保亘君 はい。
○参考人(吉田幸男君) それはあくまでも河原の砂とボーリングをした砂との対比をしたかったという機長の報告と、また現物を、当日話がありましたのは夜でございましたので、翌朝一番に調べまして、そういうことは絶対にないと、コアも見まして処置しました。というのは、処置しましたということは、当人にもそのように言いました。当人からはそのときの事情といいますのは、現場で何人か仕事をば中止してもらわなくちゃいけない事態が起きましたので、そのときに二人の方を、何といいますか、首切るといいますか、現場でやめていただきました夜でございます。なぜおれたちをば首切るのかということで酒飲んで私の現場に来たときにそういう話がございました。そういう事実があれば、私としてはほうっとくことはできないと、本人にもはっきり申しました。それで調べた上で処置すると、調べた結果がそのようなことで、一切コアの差しかえとか、そういうものではございませんでしたので、そのように報告し、もしそれが事実でしたら、その二人を私はかばって、なおさらやめさせるんじゃなくって、残ってもらって保護しようとしたと思います。そういう事実がなかったためにはっきりとした態度をとっております。そういうことでございます。
○久保亘君 この井竜という人が、あなたが直接見ている場所ではないところで、当時現場の責任を持っていた人に命ぜられて川の中から砂利か何か拾ってきてそれを使ったということを言っていた事実を、あなたさっきそういうことがあったと言われましたですね、それを調べてみたらそうではなかったと言っておられるのですが、しかし、あなたがその問題についてほかの人にお話しになりましたのは、かなりそれからまた時間が経過してのことのようであります。しかし、私はそういうようなことが当時現場の作業に従事した人たちの間でいろいろと言われているということは、コアの、ボーリングによるコアの処理についていろいろなことが、先ほど中野参考人も話されたように、行われておったということを私は裏書きをするものだと思うのであります。このことについては、やっぱり事実を明確にするためには、厳格な再調査を幾つかの場所についてやってみる以外にはないのではないだろうか、こういう感じがするわけでありますが、時間がありませんから中野参考人に引き続きお尋ねいたします。
 中野参考人は、先ほども少しお話しになっておりましたが、コアの差しかえを行ったことについて、その差しかえを、自分がそういうことをやった当時は、そのことについてどういう考えを持っておられましたか。
○参考人(中野近夫君) その当時はみんなやるもんだから自分も調子に乗ってというか、やって、人がやるのも手伝ったり応援したりしてやっていきましたが、いまになってはしまったことをしたなと、いま後悔しています。
○久保亘君 先ほど話しておられました、当時は、四十二年ごろというのは、川内市を挙げて原発を誘致をしようという空気が強かったと。そして、玄海原発との間に非常な競争が行われておって、当時は新聞を見ていると、九電あたりでも地質上の問題からこれを川内よりも玄海を選ぶということを話しておられることが新聞に当時の記録として残っておりますが、しかし、当時は玄海原発に勝たにゃいかぬという気持ちで、早くせにゃいかぬというような気持ちであなたはさっきはやったんだというような話を、ちょっとそういう意味のことを言われましたですね、しかし、その後原発というものがもっとよく世間に知れ渡るようになって、危険な要素もあるんだというようなことをあなたが知るようになってからは、やっぱり重要な地質調査について、そういうようなことを自分たちが現場の作業でやってきたことはこれは大変なことだったと考えられるようになったわけですね。ちょっとそこを……。
○参考人(中野近夫君) いや、どんなふうに答えればいいんですか。
○久保亘君 いま私が……
○参考人(中野近夫君) 全くそうです。
○久保亘君 そうですね。
○参考人(中野近夫君) はい。
○久保亘君 それでは池満参考人にお尋ねいたしますが、九電の地質調査においてボーリングのコアの差しかえが行われたということをあなたが知るようになったのは、大体いつごろのことですか。
○参考人(池満洋君) 五十年の十二月です。
○久保亘君 何人ぐらいの人から聞かれましたか。
○参考人(池満洋君) 何人だったかよく記憶しておりませんが、当時十二月のその時点で三、四名の方から聞いております。その後も聞いております。
○久保亘君 このコアの差しかえの問題以外にも地質調査の結果などについて疑問を持たれたようなものがほかにもありましたか。
○参考人(池満洋君) ボーリングについておっしゃるとおりでございますが、たとえば、昭和三十九年に通産省の公益事業局の原子力発電課が鹿児島県に委託をして原発立地のための地盤の調査をやったわけですが、そのときに鹿児島県が作成をした地質図では、川内川に横たわっておりますところの断層を地質図から抹殺をする意図であったろうと私は考えておりますが、いわゆる川内川をはさむ右岸と左岸の地層の生成年代をごまかして、右岸が古生層であり、左岸が中生層である、当然学問的に推定をされるその川内川断層を消すためにやっただろうと私は思うんですが、両方とも古紀生層であるということにしてしまったわけです。それが川内の市議会に提出をされた資料である。そういう疑惑の数々がございます。
○久保亘君 あなたは、コアの差しかえや地質図のこの疑問などについて、あなた方の立場から九州電力や科学技術庁に対してぜひ事実を調査をしてもらいたいということを申し入れられたことがありますか。
○参考人(池満洋君) 九州電力に対しましては、ボーリングコアの生資料を提出をせよということを当時から強く要求をいたしてまいりましたが、これは見せるわけにはいかないということで拒否をされております。私たちは生資料を、いわばコア箱を見ればコアの差しかえをしたことが明らかになるということでコア箱の提出を要求したわけですけれども、拒否をされております。科学技術庁に対しましても、昨年の二月上京してまいりまして、科学技術庁の原子力安全課であったと思いますが、そこで電源開発調整審議会に川内原発をかける以前でございますが、川内の原発についてはボーリングコアの差しかえなどがあるのでこのまま電調審にかけてもらっては困るということを強く要請をいたしました。川内の市議会におきましても、先ほどちょっと金丸先生から指摘がございましたが、私は、川内市議会が地方自治法百条に基づく調査権を発動をして、九州電力を含め、そして地質の捏造をしたと思われる学者を含めて喚問をし、徹底的にこの問題を究明をすることを要求をいたしましたところ、川内の市議会原発特別委員会でそれを拒否されましたので、その後国会にお願いを申し上げてきた次第でございます。
○久保亘君 先ほど金丸委員からも御発言ありましたし、私の方に御提示をいただきました九州電力の資料によりましても、全く同じようなことが記載されておりますが、「五十一年の一月十九日、川内市議会の原発特別委員会において証人の名前を発表することができず、同委員会は池満発言が事実無根として集約した」、こういうことを九州電力は資料として提出いたしております。その金丸委員もその種のことを先ほど御発言になっておりますが、これは事実に相違ありませんか。
○参考人(池満洋君) 川内の市議会の原発特別委員会がどのように集約をしたのか、私はいま記憶がよくございません。しかしながら、ただいま申し上げましたように、証人が、地方自治法百条に基づく調査権を発動して徹底的にこの問題を調査をするということであれば、いつでも出るんだということで、調査権の発動を要請したところ、原発特別委員会として、地方自治法百条の解釈によっては、地方自治体が原子力発電所の問題について調査権発動はむずかしいと、こういうことでございましたので、そのままその会は終わっておると、そういうふうに私は理解をいたしております。
○久保亘君 この資料を説明するに当たってつけ加えられたのは、池満議員は、当時市議会に対してその事実無根のことを持ち出して大変迷惑をかけたというので謝罪をされたのである、そしてその問題が決着がついたのである、こういうような説明を私は受けておりますが、そのことについては誤りありませんか。
○参考人(池満洋君) 大変な誤解があろうかと思います。私は、五十年の十二月の十五日の市議会の本会議におきまして、このコアの差しかえの事実があるということを指摘をいたしました。同年十二月二十三日の原発特別委員会で、それではその証人なりあるいは証拠なりを特別委員会に出してほしいということでございましたので出すつもりでおったわけですけれども、証人を初め私たちの同僚の人たちが、川内の市議会の特別委員会にただ出すということではなしに、百条調査権を発動してもらって厳しくこの問題を調査をしてもらう必要があるではないか、こういうことになってまいりまして、私としては百条調査権の発動を要請をしたのでございまして、特別委員会に対して証人を連れてくるつもりであったけれども、そういう事情できょうは来ていないということを報告をしたわけです。
○久保亘君 それでは、あなた方が――その前にお聞きしますが、あなたはいま川内で原子力発電所の設置に対して反対をする住民の運動にも関係されておりますね。
○参考人(池満洋君) はい、関係いたしております。
○久保亘君 それで、そういうあなたと同じような立場をとられる人々の間から九州電力や科学技術庁に対して事実調査を依頼をしたということを先ほど言われておりますが、それに対して九州電力や科学技術庁は余り誠意のある答え方をしてくれなかった、こういうことでございましたですね。
 それでは、まず、九州電力の浅田参考人にお尋ねいたしますが、そのような申し出に対して九州電力としてはこれは取り上げるに足らない、無視すべきことだとお考えになったのでしょうか。
○参考人(浅田良太君) そういう申し入れがあったことを私記憶しておりません。
○久保亘君 九州電力としては、それでは、そういうコアの差しかえなどについて、ボーリングについて疑義があるということについて地元の住民団体などが九州電力に申し入れた事実などについてはあなたは一切承知していないと、こういうことでございますね。
○参考人(浅田良太君) いや、一切ということではございません。いまのボーリングコア箱を公開しろという御要望があったということについては記憶しておりません。
○久保亘君 いや、これに対して九州電力としても重大な問題であるから、コアの問題について再度事実確認をしてもらいたいということを住民代表など、住民組織の代表などが九州電力に申し入れたことについてあなたが知らなかったと言われるなら、これから後の質問ができぬわけです。しかし、少なくともここに九州電力を代表してあなたがこの問題について参考人としておいでになる以上は、これまでの経過について知っておいでのことだと思うんですが、もし九州電力が一切そういうことについて知らない人をここにやられたのなら、私は少し言いたいことがありますがね。文書でも出されており口頭でも出されており、何遍もそういうことが提出されているのを、あなたは、九州電力の幹部陣はそういうものを全く無視して知らないということで突っぱねてきたんですか。
○参考人(浅田良太君) まことにそういうお話で申しわけないんですが、私、はっきり記憶をいたしておりません。
○久保亘君 池満参考人ね、九州電力に対しては正式な申し入れ等を行われたことはありますか。
○参考人(池満洋君) はい、当然九州電力に対して文書でも申し入れましたし、そしてそのことに九州電力が応じないために、私どもは九州電力川内営業所の前にテントを張って、雪の中で、ボーリングの生資料を公開せよということで座り込みを敢行いたしております。
○久保亘君 私は、その浅田参考人のただいまのお答えに大変遺憾の意を表せざるを得ないのであります。なぜならば、十月の二十八日に私が当委員会においてこの問題について質問をいたしました後、九州電力の現地の責任者がわざわざ東京まてお見えになって、私の部屋を訪ねられて、この住民団体から出されておるいろいろコア差しかえの指摘などについて、逐一九電側の反論を整えた文書まで私にお届けになっているのであります。このことは九電として住民がいま言っていることについて詳細に検討された後なんだ。この問題は現地任せで、きょうおいでになったあなたなたは、こんなものはもう全然関係ないと、現地でよきに計らえ、突っぱねろ突っぱねろ、そういうことでおやりになってきたんですか。
○参考人(浅田良太君) 決してそういうことではございません。
○久保亘君 九州電力からお見えになっております参考人は、この問題について責任者として回答できる立場におありにならないようでありますが、この点についてひとつ委員長、善処方をお願いしたいと思います。
○委員長(藤原房雄君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(藤原房雄君) 速記を起こしてください。暫時休憩いたします。
  午後三時十四分休憩
     ―――――・―――――
  午後三時二十四分開会
○委員長(藤原房雄君) 委員会を再開いたします。
○久保亘君 浅田参考人に重ねてお尋ねいたしますが、現地の住民組織の代表の人たちなどから、九州電力に対してコアの採取について、つまりボーリングについて疑義があるということで事実を調べてもらいたいという申し入れを受けたことは、あなたは承知されておりますね。
○参考人(浅田良太君) はい、承知いたしております。
 それと、先ほどはどうも質問の趣旨を私取り違えたようでございまして、申しわけないと思っております。
○久保亘君 で、そのことに対して九州電力としては、これは取り上げるに足らないことだというふうにお考えになったんでしょうか、あるいはそういうような疑義があれば重大なことだから、直接いろいろ当時の人たちにも当たり、必要ならばまた再調査もしてみなけりゃならぬと、こういうふうなお考えに立って進められたんでしょうか。
○参考人(浅田良太君) 決して軽い事柄だと考えたわけではございません。ただ、私どものやりましたことに、実施いたしました調査、工事につきましては絶対の自信を持っておりましたし、それからすでに国の安全審査も行われておりましたし、それからやはり直接そういう申し入れのある方と直接のいろいろそういう打ち合わせをしましても、なかなか結論はむずかしかろうというふうな考えでおりました。
○久保亘君 先ほど私が質問の最初に申し上げましたように、これは地盤が立地上可か否かという問題を私は議論しているんじゃないんです。今日、特に科学の最先端を行く原子力の開発については、企業の倫理というものが非常にきつく問われるわけです。で、それがなければ原子力開発などというのはできないと、現に「むつ」の放射線漏れのとき、その放射線漏れの調査委員会がその結論を出して、その結論を科学技術庁長官がここで、この国会において私の質問に答えて、私もそのことについては一番尊重しなければならぬことだということを答えられておるんです。これが原子力開発の基本であって、電調審とか、安全審査会とか、技術的な検討をやる問題以前のものなんですね。だから、そういうことについて九電側がおれたちのやっていることは大丈夫なんだという考え方だけで押されたとするならば、そこに非常に問題がある。
 で、具体的な問題でもう一つ私聞いておきたいのは、中野参考人、ボーリングをやられた後は九電の社員が検尺を行って、そしてきちんと後を調査していったというようなことを先ほど言われたようでありますが、この検尺というのは、ボーリングを行った個所一つずつについてきちんとやられた記憶をあなたの経験ではお持ちですか。
○参考人(中野近夫君) 私が手伝いに行くようになってからは一回、一回、九電のおえら方が来て検尺したためしはございませんでした。で、機長が責任を持って検尺はロッド検尺で大体やっておりました。
○久保亘君 そうすると、やっぱり現地で実際に仕事に携わった人と、九電が私のところに提出しました資料とは違うんですよ。あなたの方から出された説明では、この住民団体の申し出に対する反論として、「当社監督員により検尺が各孔終了ごとに慎重に実施されるので、コアの引伸ばしについては考えられない。」となっている。ところが、現に作業に従事した人たちは、われわれがやっておった時代には九電の人が来て一遍、一遍掘った後を検尺をしたというようなことなどは記憶にないと、こう言っておられるのですね。こういう点においても、非常に私は九電側のその説明というのは、下請に出して、請に出してそれがまた下請に出てそこ任せになっておったのじゃないか、だから、私は何もコアの差しかえや引き伸ばしを九電が指図したなどとは思ってないんですよ。しかし、そういうことがなくても、そんなことがありましたというその疑惑が九電に対して提出された場合には、これは企業の責任として重大なことだということで、その問題に対して取り組む姿勢がないと、何、素人が何かかんか言っているそうだ、こんなもの問題はない、われわれは専門家だというような態度で、しかも九電のタイムスケジュールに合わせてどんどん進められるというようなことであるとするならば、原子力開発のまず前提の問題としてあなた方の考え方に間違いがあるんではないか。私がこういうことを申し上げるのは大変無理なことでしょうか。九電はそういうことに対して何か反論がございますか。
○参考人(浅田良太君) ただいまの検尺の問題でございますが、私どもここにおられます田中参考人、吉田参考人に工事をお願いしたわけでございますが、中野参考人の言っておられました日特建設のボーリングの時代は昭和四十二年秋、四十三年初めのことでございまして、私どもの社内体制といたしましては、本店がこれを直接現場を見ておる状態でございました。そういう状況、それと、その第一次のボーリングといいますのは本当の概査でございまして、その概査の結果によりまして、だんだん精査をする地点を選定していくという意味の概査でございます。そういう意味で、現場の管理その他もやはりそういう状況から、たとえば第二次のボーリングにおける工事の管理とはおのずと違ってきております。おっしゃるように、検尺その他もやはり業者さんにお願いをする、そして検尺が終わりましたら写真を撮っていただくというふうな手段に変えたこともございます。全然会社の方で検尺をしなかったということではございませんが、そういうこともかなりあります。
○久保亘君 それじゃ、やっぱり提示されているのは、いつごろのことということも大体示して、九電の側にも示されたのは四十二年ごろのことと、そのことに対して九電側で検討した結果として、当社監督員により検尺が各孔終了ごとに慎重に行われているから、そういうことはあり得ないというのを九電を代表して私のところに持ってみえているのです。いまのあなたのお答えからすると、そのころはまだ体制も整っておらぬかったから九電の社員が直接検尺をやったわけじゃございませんと、こういう話でございますね。じゃ、こういう反論を余り強気でなさらぬ方がいいんじゃないですか、ちゃんと年月も指摘されている問題なんです。こういうことをあなた方が繰り返しておやりになるからいろいろまた疑義が増してくるわけであります。私は、どうしてもこの住民側の訴えについてこれを十分に科学的に説明をつけていくというやり方じゃなくて、もういいかげん県や国の方でどんどん仕事を進めてもらって、九電としては電調審や安全審査会を通過しさえすればいいんだと、こういうことでおやりになってきたのじゃないかという気持ちがしてなりません。そのことを裏づけるものとして、あなた方は一号機がまだ決定もされないうちに、電調審で一号機の問題についても決定されないうちに二号機の分まで漁業補償されましたですね。これ、間違いありませんか。
○参考人(浅田良太君) そのとおりでございます。
○久保亘君 そして、その二号機の分まで漁業補償をされるまでの間は、少なくとも川内市や市議会などに対する説明は、二号機のことについては考えていないと、当面川内は一基を設置するということが九電の方針であるということを説明をされておったのじゃありませんか。
○参考人(浅田良太君) 一応正式にはそういう表明でございます。
○久保亘君 それで、一号機の問題がまだ何にも国の方針としても確定しないうちに、すでに現地の漁業補償に対しては、将来九電がまだ公表できないで、あなた方がひそかに考えていた分まで含めて漁業補償をやってしまう、十九億円の漁業補償をやってしまうというやり方は、金で物事を解決する、そういう企業の姿勢だと言われても仕方がない。こういうことで九州電力は、川内市議会でもかなり強い指摘を受けて、副社長が川内市議会まで赴いてその点については釈明をされたと聞いておりますが、それは事実でございますか。
○参考人(浅田良太君) 事実でございます。
○久保亘君 まあそういうことをずっと通して考えてまいりますと、九州電力は果たしてこれらの現地の住民、もしこの立地いたしました原発に事故が発生して仮に何らかの被害を生ずるという場合に、一番近くで一番大きな被害を受けるべき立場の人たちから心配だ、地質調査についてこういうような問題があったのではないかと、そういうことを言う人たちがおるという指摘を受けたら、そのことに対しては何をおいてもまず真剣にそのことにこたえるという態度がないと、これを行政の側や政府の側に頼って、そしてその問題はいずれ国が方針を決めていけば片づくさ、県や市議会が議会で決定をしていけばそれで終わりだというような安易な態度で臨んでこられたのではないか。それが住民とあなた方の間の信頼関係を一層まずくしたのではないかということを私は思うわけですね。だから九州電力としては、タイムスケジュールにこだわらず、こういう疑惑がかなりまだ存在して解消されていないという場合には、真剣にこの事実の解明と、それから今度はその事実の解明をして信頼を回復した上に、地盤の是非についてのあなた方の調査の信を問うと、こういう態度をおとりになることが今後のあなた方の仕事を進められる上に不可欠の問題ではないかと私は思うんですが、浅田参考人はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(浅田良太君) 全く仰せのとおりでございまして、安全審査の結論を待ちまして、地元の方々にも十分御説明いたしたいというふうに私は考えております。
○久保亘君 次に、科学技術庁に少しお尋ねしておきますが、科学技術庁はこれまで何回かの指摘を受けながら、名前を明らかにしろということを通知をするのみで、直接いろいろ調査をされようとは余りしなかったようでありますが、今回参考人から事情を聞くことが決定をしました段階で、最近川内市に職員四名を派遣をして、機長に従事をした者十数名を川内市役所の会議室に呼んで一人ずつ事情聴取をされたと聞いております。現地の新聞にも報道をされております。そしてその際、山田、これは何をされる方ですか、科学技術庁の職員である山田さんがその責任者として記者会見をされまして、今日までの科学技術庁の資料を覆すようなものはないとか、言われるような事実はないというような意味のことを述べられておりますが、科学技術庁はこの事情聴取によってどのような事実を確認をされておりますか。
○政府委員(牧村信之君) 先ほども若干申し上げましたけれども、現地におきましてボーリング機械の責任者である機長さんに、十四名の方に直接科学技術庁の職員がお聞きをしたわけでございます。で、行われた場所は、先ほども申し上げましたが、川内市と長崎でございます。これは作業者、機長さんの現在働いておられる場所に一番便宜なところでということでお会いしたわけでございますが、それで、どのような作業が行われたのかということをお伺いする意味で、先般から問題になっております十七本のコアがこういうような観点から技術的データにおいても疑問があるというような御指摘をいただいておりますので、そういうようなことが作業の過程でどういうふうにあったのか、なかったのか、あるいはそういうような作業が実際上可能であるのか、どうなのかというようなことについて個々の機長の方に伺ったわけでございます。
○久保亘君 伺ったわけはわかりましたが、その伺った結果を聞いておるんです。
○説明員(松田泰君) その結果について詳しくはちょっと時間があれでございますが、簡単にまとめて申し上げますと、十四名のうち一名を除きましては、機長さんは私どもはそういうことはやっていないと、それからまあ機長としてそういうことをやる動機だとか理由は考えられないという内容の証言を――証言といいますか、陳述を得ております。残りの一名の方は、これはまあある特定のボーリング、三本ぐらいでございますか、それにつきましては、一部採取率が悪い個所に、隣のところから余ったコアの断片、切れ端を持ってきて入れたことがあると。なお、実はそのほかにいろいろ、ここにおられます池満さんから幾つかの指摘を受けていたわけでございますけれども、それ以外の事実については、その方も、そんなことはやっていないし、そういうことは技術的に考えられないということを言っておられます。したがいまして、私どもとしては、その事実そのものについても実は近所の機長さんと思われる方は否定しておられますので、食い違っているわけでございますけれども、まあその事実そのものの信憑性も疑いがありますが、仮にそういうようなことがあったとしても、まあ長いボーリングのコアの短い部分に、しかも採取率の悪いところを、いわば見かけ上採取率がよくなるような挿入がちょっと行われたかもしれないというふうには考えるわけでございます。しかし、それはボーリングの判定というような問題につきましてはそれほど影響のある問題とは考えていないというのが、われわれのいまの実感でございます。


===============(後略)===============


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