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原子力規制委員会設置法

原子力規制委員会設置法
(平成二十四年六月二十七日法律第四十七号)
                                  最終改正:平成二七年九月三〇日法律第七六号
(目的)
第一条  この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故を契機に明らかとなった原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、並びに一の行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消するため、原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、確立された国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む。)を一元的につかさどるとともに、その委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とする。

(設置)
第二条  国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項 の規定に基づいて、環境省の外局として、原子力規制委員会を設置する。

(任務)
第三条  原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む。)を任務とする。

(所掌事務)
第四条  原子力規制委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
一  原子力利用における安全の確保に関すること。
二  原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制その他これらに関する安全の確保に関すること。
三  核原料物質及び核燃料物質の使用に関する規制その他これらに関する安全の確保に関すること。
四  国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関すること。
五  放射線による障害の防止に関すること。
六  放射性物質又は放射線の水準の監視及び測定に関する基本的な方針の策定及び推進並びに関係行政機関の経費の配分計画に関すること。
七  放射能水準の把握のための監視及び測定に関すること。
八  原子力利用における安全の確保に関する研究者及び技術者の養成及び訓練(大学における教育及び研究に係るものを除く。)に関すること。
九  核燃料物質その他の放射性物質の防護に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
十  原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律 (昭和三十六年法律第百四十七号)第二条第一項 に規定する原子炉の運転等をいう。)に起因する事故(以下「原子力事故」という。)の原因及び原子力事故により発生した被害の原因を究明するための調査に関すること。
十一  所掌事務に係る国際協力に関すること。
十二  前各号に掲げる事務を行うため必要な調査及び研究を行うこと。
十三  前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき、原子力規制委員会に属させられた事務
2  原子力規制委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し、及びその勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる。

(職権の行使)
第五条  原子力規制委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。

(組織)
第六条  原子力規制委員会は、委員長及び委員四人をもって組織する。
2  委員長は、会務を総理し、原子力規制委員会を代表する。
3  委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(委員長及び委員の任命)
第七条  委員長及び委員は、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2  委員長の任免は、天皇が、これを認証する。
3  国会の会期中に、原子力災害対策特別措置法 (平成十一年法律第百五十六号)第十五条第二項 の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合その他の特に緊急を要する事情がある場合であり、かつ、委員長及び前条第三項の規定により委員長の職務を代理する委員のいずれもが欠員である場合(以下この項において「緊急任命が必要な場合」という。)において、両議院又はいずれかの議院が緊急任命が必要な場合である旨の文書を添えた第一項の規定による委員長に係る同意の求めがあった日(同項の規定による委員長に係る同意の求めがあった後に緊急任命が必要な場合に該当することとなったときにあっては、その旨の通知を受けた日)から国会又は各議院の休会中の期間を除いて十日以内に当該同意に係る議決をしないとき(他の議院が当該同意をしない旨の議決をしたときを除く。)は、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長を任命することができる。
4  前項の場合において、原子力災害対策特別措置法第十五条第四項 の規定による原子力緊急事態解除宣言がされたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったときは、その後速やかに両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認の求めがあった国会においてその承認を得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員長を罷免しなければならない。
5  委員長又は委員につき任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。
6  第四項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第四項中「前項」とあるのは「次項」と、「原子力災害対策特別措置法第十五条第四項 の規定による原子力緊急事態解除宣言がされたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったときは、その後速やかに」とあるのは「任命後最初の国会において(原子力災害対策特別措置法第十五条第二項 の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合その他の特に緊急を要する事情がある場合であって、その旨の通知が両議院になされたときにおける委員長に係る事後の承認にあっては、当該特に緊急を要する事情がなくなった後速やかに)」と、「委員長」とあるのは「委員長又は委員」と読み替えるものとする。
7  次の各号のいずれかに該当する者は、委員長又は委員となることができない。
一  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二  禁錮以上の刑に処せられた者
三  原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者若しくは核原料物質若しくは核燃料物質の使用を行う者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくはこれらの者の使用人その他の従業者
四  前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)又は使用人その他の従業者

(任期)
第八条  委員長及び委員の任期は、五年とする。ただし、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2  委員長及び委員は、再任されることができる。
3  委員長及び委員の任期が満了したときは、当該委員長及び委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

(罷免)
第九条  内閣総理大臣は、委員長又は委員が第七条第七項各号のいずれかに該当するに至ったときは、これらを罷免しなければならない。
2  内閣総理大臣は、委員長若しくは委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員長若しくは委員に職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない行為があると認めるときは、あらかじめ原子力規制委員会の意見を聴いた上、両議院の同意を得て、これらを罷免することができる。

(会議)
第十条  原子力規制委員会は、委員長が招集する。
2  原子力規制委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
3  原子力規制委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4  前二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合において、委員長において特に緊急を要するため委員会を招集するいとまがないと認めるとき又は委員会の会議若しくは議事の定足数を欠いているときは、委員長は、当該各号に掲げる事項に関し、委員会を臨時に代理することができる。
一  原子力災害対策特別措置法第十五条第一項 各号に該当する場合 同項 の規定による原子力緊急事態の発生の認定、内閣総理大臣への報告並びに同条第二項 の規定による公示及び同条第三項 の規定による指示の案の提出
二  原子力災害対策特別措置法第十五条第二項 の規定による原子力緊急事態宣言があった時から同条第四項 の規定による原子力緊急事態解除宣言があるまでの間にある場合 同法第二条第五号 に規定する緊急事態応急対策に関すること。
三  武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律 (平成十六年法律第百十二号。以下この項において「国民保護法」という。)第百五条第一項 前段の規定による通報を受けた場合 同条第二項 の規定による対策本部長(武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 (平成十五年法律第七十九号。以下この項において「事態対処法」という。)第十一条第一項 に規定する対策本部長をいう。第五号において同じ。)への報告及び関係指定公共機関への通知
四  国民保護法第百五条第一項 に規定する事実がある場合 同条第四項 の規定による当該事実の発生の認定
五  国民保護法第百五条第三項 の規定による通報を受けた場合 同条第四項 の規定により準用する同条第二項 の規定による対策本部長への報告及び関係指定公共機関への通知並びに同条第四項 後段の規定による所在都道府県知事、所在市町村長及び関係周辺都道府県知事並びに原子力事業者(原子力災害対策特別措置法第二条第三号 の原子力事業者をいう。以下同じ。)への通知
六  武力攻撃事態等(事態対処法第一条 に規定する武力攻撃事態等をいう。)に至った場合 国民保護法第百六条 の規定により必要な措置を講ずべきことを命ずること。
5  委員長は、前項の規定により、臨時に代理したときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その旨及び代理した事項を次の会議において報告しなければならない。
6  委員長に事故があり、又は委員長が欠けた場合の第二項、第四項及び前項の規定の適用については、第六条第三項の規定により委員長の職務を代理する委員は、委員長とみなす。

(服務等)
第十一条  委員長及び委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職務を退いた後も、同様とする。
2  委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
3  委員長及び委員は、在任中、内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。
4  原子力規制委員会は、委員長及び委員の職務の中立公正に関し国民の疑惑又は不信を招くような行為を防止するため、委員長又は委員の研究に係る原子力事業者等からの寄附に関する情報の公開、委員長又は委員の地位にある間における原子力事業者等からの寄附の制限その他の委員長及び委員が遵守すべき内部規範を定め、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
5  原子力規制委員会は、原子力事故が生じた場合において、これに迅速かつ適切に対処することができるよう、様々な事態を想定した上で、会議の開催及び議決の方法その他委員長及び委員が遵守すべき行動指針を内容とする内部規範を定め、これを適正に運用しなければならない。

(給与)
第十二条  委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。

(審議会等)
第十三条  原子力規制委員会に、次の審議会等を置く。
 原子炉安全専門審査会
 核燃料安全専門審査会
2  前項に定めるもののほか、別に法律で定めるところにより原子力規制委員会に置かれる審議会等は、放射線審議会とする。

(原子炉安全専門審査会)
第十四条  原子炉安全専門審査会は、原子力規制委員会の指示があった場合において、原子炉に係る安全性に関する事項を調査審議する。

第十五条  原子炉安全専門審査会は、政令で定める員数以内の審査委員をもって組織する。
2  審査委員は、学識経験のある者のうちから、原子力規制委員会が任命する。
3  審査委員は、非常勤とする。
4  審査委員の任期は、二年とする。
5  審査委員は、再任されることができる。

第十六条  原子炉安全専門審査会に、会長一人を置き、審査委員の互選によってこれを定める。
2  会長は、会務を総理する。
3  会長に事故があるときは、あらかじめその指名する審査委員がその職務を代理する。

第十七条  前三条に定めるもののほか、原子炉安全専門審査会に関し必要な事項は、政令で定める。

(核燃料安全専門審査会)
第十八条  核燃料安全専門審査会は、原子力規制委員会の指示があった場合において、核燃料物質に係る安全性に関する事項を調査審議する。

第十九条  核燃料安全専門審査会は、政令で定める員数以内の審査委員をもって組織する。
2  第十五条第二項から第五項まで、第十六条及び第十七条の規定は、核燃料安全専門審査会について準用する。

(放射線審議会)
第二十条  放射線審議会については、放射線障害防止の技術的基準に関する法律 (昭和三十三年法律第百六十二号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。

第二十一条  削除

(緊急事態応急対策委員)
第二十二条  原子力規制委員会に、原子力規制委員会の指示があった場合において、原子力災害対策特別措置法第二条第二号 に規定する原子力緊急事態における応急対策に関する事項を調査審議させるため、政令で定める員数以内の緊急事態応急対策委員(以下「応急対策委員」という。)を置く。
2  応急対策委員は、学識経験のある者のうちから、原子力規制委員会が任命する。
3  応急対策委員は、非常勤とし、その任期は、二年とする。
4  応急対策委員は、再任されることができる。

(原子力事故調査)
第二十三条  原子力規制委員会は、第四条第一項第十号に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。
一  原子力事業者、原子力事故により発生した被害の拡大の防止のための措置を講じた者その他の原子力事故の関係者(以下単に「関係者」という。)から報告を徴すること。
二  原子力事業所その他の原子力事故の現場、原子力事業者の事務所その他の必要と認める場所に立ち入って、帳簿、書類その他の原子力事故に関係のある物件(以下「関係物件」という。)を検査し、関係者に質問し、又は試験のため必要な最小限度の量に限り、核原料物質、核燃料物質その他の必要な試料を収去すること。
三  関係者に出頭を求めて質問すること。
四  関係物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し当該物件の提出を求め、又は提出物件を留め置くこと。
五  関係物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し当該物件の保全を命じ、又はその移動を禁止すること。
六  原子力事業所その他の原子力事故の現場に、公務により立ち入る者及び原子力規制委員会が支障がないと認める者以外の者が立ち入ることを禁止すること。
2  原子力規制委員会は、必要があると認めるときは、委員長、委員又は原子力規制庁の職員に前項各号に掲げる処分をさせることができる。
3  前項の規定により第一項第二号に掲げる処分をする者は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4  第一項又は第二項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(国会に対する報告)
第二十四条  原子力規制委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して国会に対し所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない。

(情報の公開)
第二十五条  原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない。

(規則の制定)
第二十六条  原子力規制委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、原子力規制委員会規則を制定することができる。

(原子力規制庁)
第二十七条  原子力規制委員会の事務を処理させるため、原子力規制委員会に事務局を置く。
2  前項の事務局は、原子力規制庁と称する。
3  原子力規制庁に、事務局長その他の職員を置く。
4  前項の事務局長は、原子力規制庁長官と称する。
5  原子力規制庁長官は、委員長の命を受けて、庁務を掌理する。
6  原子力規制庁の内部組織については、国家行政組織法第七条第七項 の規定にかかわらず、同条第三項 、第四項及び第六項並びに同法第二十一条第一項 及び第五項 の規定を準用する。この場合において、同法第七条第六項 及び第二十一条第五項 中「省令」とあるのは、「原子力規制委員会規則」と読み替えるものとする。

(原子力規制委員会の運営)
第二十八条  この法律に定めるもののほか、原子力規制委員会の運営に関し必要な事項は、原子力規制委員会が定める。

(罰則)
第二十九条  第十一条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第三十条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一  第二十三条第一項第一号又は第二項の規定による報告の徴取に対し虚偽の報告をした者
二  第二十三条第一項第二号若しくは第二項の規定による検査若しくは試料の提供を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対し虚偽の陳述をした者
三  第二十三条第一項第三号又は第二項の規定による質問に対し虚偽の陳述をした者
四  第二十三条第一項第四号又は第二項の規定による処分に違反して物件を提出しない者
五  第二十三条第一項第五号又は第二項の規定による処分に違反して物件を保全せず、又は移動した者

第三十一条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、同条の刑を科する。

   附 則 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一  第七条第一項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)並びに附則第二条第三項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)、第五条、第六条、第十四条第一項、第三十四条及び第八十七条の規定 公布の日
二  附則第五十四条中原子力災害対策特別措置法第二十八条第一項の表第三十四条第一項の項の次に次のように加える改正規定、同表第四十条第三項の項の次に次のように加える項の改正規定、同表第四十二条第三項の項の次に次のように加える改正規定、同表第四十六条第二項の項及び第四十七条第一項の項の改正規定(第四十七条第一項の項に係る部分に限る。)、同表第四十七条第一項の項の次に次のように加える改正規定並びに同表第四十九条の項及び第五十一条の項の改正規定(第四十九条の項に係る部分に限る。) この法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日
三  附則第十六条、第二十条、第三十一条、第三十二条、第五十八条、第六十九条、第九十一条及び第九十六条の規定 平成二十五年四月一日
四  附則第十七条、第二十一条から第二十六条まで、第三十七条、第三十九条、第四十一条から第四十八条まで、第五十条、第五十五条、第六十一条、第六十五条、第六十七条、第七十一条及び第七十八条の規定 施行日から起算して十月を超えない範囲内において政令で定める日
五  附則第十八条(次号に掲げる改正規定を除く。)及び第二十七条から第三十条までの規定 施行日から起算して一年三月を超えない範囲内において政令で定める日
六  削除
七  附則第八十五条の規定 施行日又は独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成二十四年法律第   号)の公布の日のいずれか遅い日

(最初の委員長及び委員の任命)
第二条  この法律の施行後最初に任命される委員の任期は、第八条第一項本文の規定にかかわらず、四人のうち、二人は二年、二人は三年とする。
2  前項に規定する各委員の任期は、内閣総理大臣が定める。
3  この法律の施行の日が国会の会期中である場合であり、かつ、この法律の施行の際原子力災害対策特別措置法第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合において、両議院又はいずれかの議院が原子力緊急事態宣言がされている旨の文書を添えた第七条第一項の規定による同意の求めがあった日(同項の規定による同意の求めがあった後に原子力緊急事態宣言がされたときにあっては、その旨の通知を受けた日)から国会又は各議院の休会中の期間を除いて十日以内に当該同意に係る議決をしないとき(他の議院が当該同意をしない旨の議決をしたときを除く。)は、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、この法律の施行後最初に任命される委員長又は委員を任命することができる。
4  第七条第四項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第七条第四項中「前項」とあるのは「附則第二条第三項」と、「されたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったとき」とあるのは「されたとき」と、「委員長」とあるのは「委員長又は委員」と読み替えるものとする。
5  この法律の施行後最初に任命される委員長及び委員の任命について、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第七条第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから委員長及び委員を任命することができる。
6  第七条第四項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第七条第四項中「前項」とあるのは「附則第二条第五項」と、「原子力災害対策特別措置法第十五条第四項の規定による原子力緊急事態解除宣言がされたときその他の特に緊急を要する事情がなくなったときは、その後速やかに」とあるのは「任命後最初の国会において(原子力災害対策特別措置法第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言がされている場合であって、その旨の通知が両議院になされたときにあっては、同条第四項の規定による原子力緊急事態解除宣言がされた後速やかに)」と、「委員長」とあるのは「委員長又は委員」と読み替えるものとする。

(処分等に関する経過措置)
第三条  この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条第一項において「旧法令」という。)の規定により従前の国の機関(以下この条において「旧機関」という。)がした許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「新法令」という。)の相当規定に基づいて、相当の国の機関(以下この条において「新機関」という。)がした許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2  この法律の施行の際現に旧法令の規定により旧機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、新法令の相当規定に基づいて、新機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3  この法律の施行前に旧法令の規定により旧機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定により新機関に対してその手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、当該相当規定を適用する。

(命令の効力に関する経過措置)
第四条  この法律の施行の際現に効力を有する旧法令の規定により発せられた内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令(次項において「旧府省令」という。)で、新法令の規定により原子力規制委員会規則で定めるべき事項を定めているものは、原子力規制委員会規則としての効力を有する。
2  旧府省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。

(原子力利用における安全の確保に係る事務を所掌する行政組織に関する検討)
第五条  原子力利用における安全の確保に係る事務を所掌する行政組織については、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行状況、国会に設けられた東京電力福島原子力発電所事故調査委員会が提出する報告書の内容、原子力利用における安全の確保に関する最新の国際的な基準等を踏まえ、放射性物質の防護を含む原子力利用における安全の確保に係る事務が我が国の安全保障に関わるものであること等を考慮し、より国際的な基準に合致するものとなるよう、内閣府に独立行政委員会を設置することを含め検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるものとする。

(政府の措置等)
第六条  東日本大震災における原子力発電所の事故を受け、原子力利用における安全の確保のための規制が緊要な課題となっていることに鑑み、これに係る国際的な動向に精通する優秀かつ意欲的な人材を継続的に確保するため、政府は、速やかに、原子力規制庁の職員について、次に掲げる事項その他必要な事項に関し所要の措置を講ずるものとする。
一  専門的な知識及び経験を要する職務と責任に応じ、資格等の取得の状況も考慮した給与の体系の整備その他の処遇の充実を図ること。
二  新たに採用する者に係る定員を十分に確保した上で、国内の大学、研究機関、民間事業者等から専門的な知識又は経験を有する者を積極的に登用するとともに、原子力利用における安全の確保に係る最新の海外の知見を積極的に取り入れることの重要性に鑑み、国外の大学、研究機関、民間事業者等からも専門的な知識又は経験を有する者を、我が国の原子力行政に対して第三者として意見を述べる職に登用することを含め、積極的に登用すること。
三  留学、国際機関、外国政府機関等への派遣及び在外公館等における勤務の機会を確保し、並びに国の内外の大学及び研究機関との人材交流を行うこと。
四  職務能力の向上を図るための研修施設の設置その他の研修体制を整備すること。
五  職員の採用を含めた人材の確保及び育成に係る方策その他の原子力規制委員会の人的又は物的な体制の拡充を図るための財源を確保し、及び勘定区分を導入すること。
2  原子力規制庁の職員については、原子力利用における安全の確保のための規制の独立性を確保する観点から、原子力規制庁の幹部職員のみならずそれ以外の職員についても、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めないこととする。ただし、この法律の施行後五年を経過するまでの間において、当該職員の意欲、適性等を勘案して特にやむを得ない事由があると認められる場合は、この限りでない。
3  原子力規制庁の職員については、原子力利用における安全の確保のための規制の独立性を確保する観点から、その職務の執行の公正さに対する国民の疑惑又は不信を招くような再就職を規制することとするものとする。
4  政府は、独立行政法人原子力安全基盤機構が行う業務を原子力規制委員会に行わせるため、可能な限り速やかに独立行政法人原子力安全基盤機構を廃止するものとし、独立行政法人原子力安全基盤機構の職員である者が原子力規制庁の相当の職員となることを含め、このために必要となる法制上の措置を速やかに講ずるものとする。
5  政府は、前項に定めるもののほか、原子力利用における安全の確保に関するより効率的かつ効果的な規制が行えるよう、独立行政法人その他の関係団体の組織及び業務の在り方について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。
6  政府は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十六条第一項の規定による申告に係る制度をより実効的なものとする方策について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。
7  政府は、東日本大震災により甚大な被害が生じたことを踏まえ、原子力災害を含む大規模災害へのより機動的かつ効果的な対処が可能となるよう、大規模災害への対処に当たる政府の組織の在り方について抜本的な見直しを行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。
8  政府は、東日本大震災における原子力発電所の事故を踏まえ、地方公共団体に対する原子力事業所及び原子力事故に伴う災害等に関する情報の開示の在り方について速やかに検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるとともに、関係者間のより緊密な連携協力体制を整備することの重要性に鑑み、国、地方公共団体、住民、原子力事業者等の間及び関係行政機関間の情報の共有のための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。
9  原子力事業者は、原子力施設の安全性の確保及び事故の収束につき第一義的責任を有することを深く自覚し、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の規定により講ずることとされる措置のほか、その原子力施設ごとに、当該原子力施設における事故の発生及び当該事故による災害の拡大の防止に関し、万全の危機管理に係る体制を整備するため、一層の自主的な対策を講ずるよう努めるものとする。

(審議会等の設置の特例)
第六条の二  独立行政法人原子力安全基盤機構の解散に関する法律(平成二十五年法律第八十二号)附則第十六条第一項の政令で定める日までの間、同法の定めるところにより、原子力規制委員会に、旧独立行政法人原子力安全基盤機構評価委員会を置く。

(罰則の適用に関する経過措置)
第八十六条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第八十七条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第九十七条  附則第十七条及び第十八条の規定による改正後の規定については、その施行の状況を勘案して速やかに検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。

   附 則 (平成二四年六月二七日法律第四一号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第六条の規定は、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。

(政令への委任)
第八条  この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成二五年一一月二二日法律第八二号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成二七年九月三〇日法律第七六号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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