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「発生パターンは熊本型か」専門家警戒呼び掛け 鳥取県は6年前、震源近くに「推定断層」設定

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 最大震度6弱を観測した鳥取県中部で起きた地震は震源の深さが11キロ程度と浅かったため、揺れが大きく大阪などにまで広がった。震源の東側には、昭和18年に鳥取で連続地震を引き起こした吉岡、鹿野断層などがあり、地震研究者らは「中国地方で地震が活発化している可能性がある」と指摘。2度の最大震度7の地震で大きな被害が出た熊本県と同様に鳥取は地盤が弱く、震源近くには活断層が多いため、「今後、同規模かそれ以上の地震が起きるとみるべきだ」と警戒を呼びかけている。
 東京大地震研究所の古村孝志教授は「今回は吉岡、鹿野断層の延長線上の活断層か、それらのエリアの地中に隠れた別の断層が動いた可能性がある」と分析。「この付近の日本海側は帯状に活断層が集まっているエリアで、熊本地震のように活断層同士が影響しあう可能性もある」とする。
 京都大防災研究所の西村卓也准教授)によると、鳥取県はフィリピン海プレートによって地殻が北西に押されており、衛星利用測位システム(GPS)でひずみの蓄積が観測されていた。断層が水平方向に動く横ずれ型の地震が多く、今回もこのタイプだった。
 また、今回の地震の規模はマグニチュード(M)6・6だったことを指し、「遠くまで揺れが伝わった割に被害が限定的だったのだろう」と推察する。しかし、M7を超えると被害が大きくなる可能性があり、「今後、しばらくは揺れや火災などの被害に巻き込まれないよう警戒が必要だ」としている。
 鳥取では昭和18年3月、今回の震源の東側で、M6・2の地震が2日続けて発生。被害は小さかったが半年後の9月2日、M7・2の地震が発生し、鳥取市内を中心に建物全半壊13500、死者1083人の被害が出ている。
 梅田康弘・京都大名誉教授は、「鳥取県の沿岸部は温泉地が連なっているのをみて分かるように、阿蘇山のある熊本のように、地下の水流が豊富なうえ熱源があるため地盤がもろく、さらに柔らかい堆(たい)積(せき)層のため揺れやすい」と解説する。
 国の地震調査委員会は7月、中国地方の24の活断層を分析した結果を公表。中国地方でM6・8以上の地震が30年以内に発生する確率を50%、としており、「非常に発生確率が高い」としていた。今回地震が発生した鳥取県から島根県西部にかけてのエリアも40パーセントとしており、「活断層は鳥取県西部に比べて少ないが、地中に隠れている活断層もあり、地震活動は活発だ」と指摘していた。
 一方、鳥取県は平成22年に策定した「震災対策アクションプラン」のなかで、今回の震源に沿って「倉吉南方の推定断層」があると設定。M7・2の規模の地震が起きた場合、倉吉平野では震度5強から6弱の揺れが起こり、約3500棟の建物が倒壊、50〜60人の死者を想定していた。
 梅田名誉教授は、「ここ数年、鳥取で震度3〜4クラスの地震が続いており、今回の地震につながった可能性もある」としている。

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