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新しい規制基準適合川内原発の住民説明会

 全国の原子力発電所で初めて新しい規制基準に適合しているとされた鹿児島県の川内原発が立地する薩摩川内市で住民説明会が開かれ、住民から地震や津波などへの対策をもっと厳しくすべきだという意見が相次いだのに対し、原子力規制庁の担当者は「自然環境の厳しさも勘案している」などと理解を求めました。
 川内原発について、原子力規制委員会は先月、九州電力の安全対策が新しい規制基準に適合しているとした審査書を決定し、鹿児島県はこの審査書の住民説明会を原発周辺の5つの市と町で開くことにしています。
 9日夜は原発が立地する薩摩川内市で最初の説明会が開かれ、原子力規制庁の担当者が、新たな規制基準に基づいて見直された川内原発の地震や津波の想定、それに重大事故の対策などを説明しました。住民からは「想定されている最大規模の地震の揺れの大きさは過小評価されている」などと、地震や津波、それに重大事故への対策をもっと厳しくすべきだという意見が相次ぎました。
 これに対し、原子力規制庁の担当者は「新たな規制基準は海外の基準を参考にわが国の自然環境の厳しさも勘案して策定している」などと説明し、理解を求めました。説明会では終了予定を30分近く超過した時点でも発言や質問を求める出席者が多くいましたが、質疑は打ち切られ、会場からは不満の声が上がっていました。
 鹿児島県と薩摩川内市は、今回も含めた住民説明会での住民の反応や議会の議論などを踏まえ、再稼働に同意するかどうか最終的に判断することにしています。

地震や重大事故の対策に質問相次ぐ
 住民説明会では、新たな規制基準に基づいて見直した地震や重大事故の対策に質問が相次ぎました。
 このうち、想定される最大規模の地震の揺れの大きさについては、住民から「川内原発は620ガルと想定しているが、過小評価していて、当時、原子力安全基盤機構が解析で示した1340ガルというより大きい地震の揺れを取り入れるべきだ」という意見が出されました。
 これについて原子力規制庁の担当者は、「震源を特定しない地震から620ガルと評価しており、1340ガルは、研究のために設定した数字で、実際に起こった地震から考えたものではなく、取り入れなかった」と答えていました。また、重大事故への安全対策では「テロ対策への説明がない」という質問が出され、これに対しては、「テロ対策は非公開の審査で確認していて、体制や対応手順でできるかぎり準備してもらっているが、説明できる範囲に限りがあることを理解してほしい」と説明していました。
 さらに、「福島第一原発の事故がまだ終わっていないなかで、こうした安全対策の説明をして説得力があると思うか」という質問も出され、原子力規制庁の担当者は、「非常に厳しい意見で十分に説明できていないかもしれないが、これまでにやってきたことを真摯しんしに説明している。いろいろな受け止め方があると思うが、説得力があるかは皆さんで判断してほしい」と答えていました。
このほか、原発事故の際の避難計画は市民の命を守る最も重要なものだとして、再稼働の欠かせない条件にするよう薩摩川内市の岩切秀雄市長に求める意見も出されていました。

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