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炉心溶融の説明不備は「隠蔽」 東電幹部が認める

 東京電力が福島第一原発事故の当初、原子炉内の核燃料が溶け落ちる炉心溶融が起きていたのに炉心損傷と説明し続けた問題で、姉川尚史原子力・立地本部長は三十日の記者会見で「炉心溶融に決まっているのに『溶融』という言葉を使わないのは隠蔽(いんぺい)だと思う」と述べ、同社の説明が不適切だったとの認識を示した。 この問題で、東電の原子力部門トップが記者会見で見解を明らかにしたのは初めて。
 炉心溶融を巡っては、社内に判定マニュアルがあったにもかかわらず東電は事故後約五年間、見過ごしていたとされ、第三者検証委員会が経緯を調査中。姉川氏は、溶融という言葉を避けた背景を含め、近く検証結果がまとまるとの見通しを示した。
 姉川氏は、二〇一一年三月の事故直後に東電が1号機で確認した炉心損傷割合の数値を示しながら「55%や70%炉心損傷した状態で注水できていない状況を考えれば、常識的な技術者は『そう(炉心溶融)です』と答える。マニュアルがなくても分かる」と述べた。
 一方、当時の社内マニュアルに「炉心損傷割合が5%を超えると炉心溶融と判定する」との基準があることを東電幹部が把握しながら意図的に隠したかどうかは、第三者委が調査中だとして明言を避けた。
 姉川氏は、社内マニュアルが存在していたことを東電が明らかにした後の三月二十三日、新潟県の技術委員会で経緯を説明し「調査のプロセスが非常に不適切だった」と謝罪していた。

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