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耐震基準に地域差=連続地震想定せず−専門家「議論が必要」・熊本地震

 震度7の揺れが連続した熊本地震では多数の住宅が倒壊した。建物の強度を定めた建築基準法は2回の大地震を想定しておらず、耐震基準には地域差もある。専門家は「見直しには社会的な議論が必要だ」と指摘する。
 建築士らが暫定的な被災程度を判断する「応急危険度判定」では、熊本県内で約1万4900戸が危険とされた。
 震度7の揺れに2回襲われた益城町などを現地調査した名古屋大減災連携研究センター長の福和伸夫教授は「揺れの周期が1秒程度で、木造家屋の被害が大きくなりやすい揺れだった」と指摘する。一方で「阪神大震災と比べて全壊戸数の割合は少ない。この21年間で古い住宅が建て替わり、耐震化が進んだ結果と考えられる」と話す。
 2013年の住宅耐震化率は全国で82%(推計値)、熊本県は76%(同)だった。1981年以前の旧基準で建てられ、補強が済んでいない住宅が全国に約900万戸残っている。
 耐震改修は、建物の強度や粘り強さなどから算出される耐震性能「Is値」を基に施工する。震度6強〜7でも倒壊の危険性が低い0.6以上が必要とされるが、Is値が示す性能は全国一律ではない。地域によって異なる「地震地域係数」(0.7〜1.2)を掛けて算出するためだ。
 東海地震が想定される静岡県は耐震性能を高く設定し、係数1.2を独自に採用する。他は国土交通省が定め、首都圏や中部、関西圏などは1.0。熊本、大分両県は0.8〜0.9だった。

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