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阿蘇山が爆発的噴火 警戒レベルを3に引き上げ

10月8日 2時12分
 8日未明、熊本県の阿蘇山の中岳第一火口で爆発的噴火が発生しました。気象庁は、阿蘇山に改めて火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル2からレベル3に引き上げ、火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。
 気象庁によりますと、8日午前1時46分ごろ、熊本県の阿蘇山の中岳第一火口で爆発的な噴火が発生しました。
 火口から、およそ1キロ西南西にある観測点では、噴火に伴って規模の大きな空振と呼ばれる空気の振動が観測されたほか、監視カメラの画像を分析したところ、火口から1キロを超えて噴石が飛んだ可能性があるということです。
 火口周辺は雲に覆われていて噴煙の詳しい状況はわからないということですが、気象衛星による観測では噴煙が高さ1万1000メートルに達したことが確認されたということです。
 阿蘇山では、今回の爆発的噴火が起きる、およそ4時間前の7日午後10時前にも噴火が発生し、その直後から火山性微動の振幅が徐々に大きくなり、噴火が発生した時刻と同じ、午前1時46分ごろには火山性微動によって熊本県南阿蘇村で震度2の揺れを観測しました。
 また、7日午後11時50分ごろからは、火口付近に設置された傾斜計で山が膨張する変化が観測されました。
 阿蘇山で爆発的な噴火が観測されたのは36年前の昭和55年1月以来です。
 気象庁は、今後も同じ規模の噴火が起きるおそれがあるとして、阿蘇山に改めて火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル2の「火口周辺規制」からレベル3の「入山規制」に引き上げて、中岳第一火口から、おおむね2キロの範囲には大きな噴石や、火砕流に警戒するとともに、風下に当たる地域では火山灰や小さな噴石などに注意するよう呼びかけています。

「前が見えないくらい火山灰」

 阿蘇市役所総務課の広瀬和英課長補佐は「噴火したという情報を受けて、車を運転して市役所に駆けつけたが、大粒の雨のような感じで前が見えないくらい火山灰が降っていた」と話していました。
 また、市役所は停電していて、非常用の電源を使用して対応に当たっているということです。
 阿蘇市役所は職員を招集して、噴火の影響などの情報収集を行うとともに避難所が必要ならば開設するなど状況の確認をしたうえで対応していくとしています。

「硫黄化合物のような臭い」

 阿蘇山周辺を管轄する阿蘇広域行政事務組合消防本部によりますと、噴火があったと見られる午前1時40分ごろ、爆風と見られる風の影響で消防本部の建物の窓ガラスが揺れたということです。大きな音などは聞こえなかったということです。
 また、周辺では硫黄化合物のような臭いがしているほか、火山灰が降り続き、地面にうっすらと積もっているということです。
 午前2時10分現在、けが人などの情報は入っていないということで、引き続き情報収集を続けています。

活発な火山活動続く

 阿蘇山では7日午後9時50分ごろに噴火が発生した以降も、火山性微動の振幅が大きく、活発な火山活動が続いています。
 去年9月の噴火では、噴煙が火口から2000メートルまで上がり、火口周辺で大きな噴石が飛んだのが確認されたため、気象庁は噴火警戒レベルを2から3に引き上げていました。

 噴火警戒レベルは去年11月にレベル2に引き下げられましたが、阿蘇山では、ことしに入っても小規模な噴火が繰り返し発生しているほか、放出する火山ガスが多い状態も続いていることから、気象庁は火口から1キロ程度の範囲では大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけていました。

政府が情報連絡室を設置

 政府は午前1時50分、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、関係省庁や地元自治体などと連絡を取り、情報の収集と警戒に当たっています。

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