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大飯の地震動、再算定を 前委員長代理が規制委に指摘

 原子力規制委員会の前委員長代理で、地震や津波の審査を担当していた島崎邦彦・東大名誉教授(地震学)は十六日、田中俊一委員長らに会い、関西電力大飯原発(福井県)などの地震規模の算定で用いられた手法では、過小評価になる恐れがあり、算定し直すべきだと指摘した。規制委は指摘を受け、二十日の会合で今後の対応を議論する。(片山夏子)
 島崎氏が問題点を指摘したのは、入倉孝次郎京大名誉教授らが提唱した、想定される断層の面積から地震規模(地震モーメント)を求める計算式。地震規模は、原発の耐震設計の目安となる基準地震動を決めるもとになる。
 島崎氏は、地表に対し垂直または垂直に近い断層では、入倉・三宅式だと、他の計算式の三分の一〜四分の一程度になる場合があると指摘。西日本の断層の多くは垂直に近く、「この計算式を津波や強い揺れの推定に用いてこのまま対策が進められたら、想定外の災害や事故が繰り返される恐れがある。悲劇を繰り返してはならない」と訴えた。
 島崎氏は二〇一二年九月から二年間、委員として地震や津波の審査を担当。退任後、日本海の津波問題を検証する中で計算式も見直し、四月の熊本地震で得られた詳細な観測データが、この計算式では説明できないことから問題点があるのを確認したという。
 指摘に対し、田中委員長は「指針は簡単に変えられない。新しい知見を入れるには、それなりに評価されたものをベースにしてわれわれの判断を入れていきたい」と話した。

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