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伊方耐震評価見直しを 熊本地震の上下動に着目 岡村・高知大特任教授


◎ 熊本、大分両県で相次ぐ地震は四国電力が7月下旬の再稼働を目指す伊方原発3号機(伊方町)の耐震安全性に影響しないのか―。高知大防災推進センターの岡村真特任教授(地震地質学)は、熊本県益城(ましき)町で過去にほとんど例がない上下動の大きな揺れが観測されるなど「新たな知見はある」と着目。今回の地震の検証を踏まえ、伊方原発の耐震安全性評価を巡る審査を見直すよう提言している。
 岡村氏は「4月14日の地震はマグニチュード(M)6・5で簡単に1000ガルを超えた。伊方原発では中央構造線断層帯による地震でM8・0も想定され、熊本地震の比ではない」と強調。さらに「コンクリートは上下動に弱い」とし、原発事故の際、放射性物質の放出を防ぐコンクリート製の原子炉格納容器などへの影響を懸念している。

◎ これに対し四電は、益城町の地表で1399ガルを観測した地点でも、地盤が固い地中は上下動が127ガルだったと説明。伊方原発が建つ岩盤地点での揺れは地表よりも大幅に小さくなるとの見解を示す。
 四電は県の求めで2015年中に、3号機の安全上重要な機器がおおむね1000ガルにも耐えられるよう工事をした。熊本地震の発生後、四電は「最新の知見がまとまれば反映していく」としているが、現時点で7月下旬を目指している再稼働のスケジュールは変更しない方針だ。

◎ 規制委事務局の原子力規制庁は「熊本地震を受けたデータなども確認しており、現在のところ地震動評価を見直す必要はないと考えている」とコメント。

 岡村氏は「(国内では1995年の阪神大震災後)強い揺れの観測が可能になって20年弱しかたっておらず、どんな揺れが来るのかまだほとんど分からない。規制委は熊本地震を検証し審査を再検討すべきだ」と訴えている。

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