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「布田川断層帯の一部ずれ動き発生か」地震調査委


16日未明に熊本県で発生したマグニチュード7.3の大地震について、政府の地震調査委員会は、現地調査やその後の地震活動などから、「布田川断層帯」という活断層帯のうち、北東側の一部がずれ動いて起きたと考えられるという見解をまとめました。

16日、熊本県で発生したマグニチュード7.3の大地震を受けて、政府の地震調査委員会は、17日、臨時の会合を開き、震源の近くを北東から南西方向に延びる「布田川断層帯」との関連などについて検討しました。
この中では、これまでの現地調査で、震源地に近い熊本県益城町でおよそ10キロにわたって活断層がずれ動いて出来たとみられる地表の段差やひび割れが確認され、変化の大きさは、水平方向に最大で2メートルほどだったことが報告されました。
痕跡は、「布田川断層帯」のうち、北東側の長さおよそ19キロの「布田川区間」という断層帯に沿っているということです。
また、大地震の後に起きている地震を分析した結果、多くが「布田川区間」の周辺や「布田川断層帯」に沿うように起きていることなどが報告されました。一方、GPSのデータや地震の規模などから、ずれ動いた活断層の長さは30キロ近くと推定されることが報告されました。
こうしたことを受けて、地震調査委員会は布田川断層帯の「布田川区間」が、これまで考えられていたより北東側へ数キロ程度延びているとしたうえで、16日の大地震は、この「布田川区間」がずれ動いて起きたと考えられるという見解をまとめました。
一方、16日の大地震のあと、熊本県の阿蘇地方や大分県など、離れた場所でも地震活動が活発になっていることについては、何らかの影響はあったとみられるものの、どのような関連があるかは評価できないとしました。
地震調査委員会の委員長で東京大学地震研究所の平田直教授は「熊本県を中心とする九州での地震活動は、依然として収まっておらず、今後も震度6弱程度の地震が起きる可能性がある。引き続き強い揺れを伴う地震に警戒してほしい」と話しています。
今後も大きな地震のおそれ 十分注意を

熊本県では、16日のマグニチュード7.3の大地震のあと、熊本県での地震活動の範囲がそれまでよりも南西側に広がっていて、この場所には「日奈久断層帯」という活断層帯がのびています。これについて地震調査委員会の委員長で、東京大学地震研究所の平田教授は、17日の臨時の会合後の記者会で、科学的に影響を評価することはできないとしたうえで、「3日前に発生したマグニチュード6.5の地震の2日後に、隣接する布田川断層帯の一部がずれ動きマグニチュード7.3の地震が起きたという事実を見ると、今後、日奈久断層帯でも同じようなことが起きる可能性もあると考えておくほうがよい」と指摘しました。そのうえで、「地震活動は依然として活発で、九州地方では、今後も、マグニチュード7に近いような規模の地震が起きるおそれがあると考えて、引き続き、強い揺れなどに十分注意してほしい」と述べました。

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