[2020_04_21_08]原発の浸水深さ示さず M9地震津波想定 「地元と調整必要」(東京新聞2020年4月21日)
 
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原発の浸水深さ示さず M9地震津波想定 「地元と調整必要」

 内閣府の有識者会議が二十一日に公表した日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う津波想定では、各地の原子力施設が浸水する深さなど具体的なデータは示されなかった。内閣府は「予測結果は出ているが、各施設の状況を示せる段階まで整理ができていない。公表には地元自治体との調整も必要だ」と説明している。
 公表前の素案では、東京電力福島第一原発には東日本大震災と同程度の一三・七メートルの津波が襲来。地震発生の六十六分後には、1〜4号機の原子炉建屋がある海抜八・五メートルの敷地が最大三・三メートル浸水すると予測していた。
 このほか、福島第二原発では〇・二メートル浸水し、東北電力の女川原発(宮城県)、東通原発(青森県)、日本原燃の核燃料サイクル施設(同県)は「浸水なし」としていた。女川、東通には敷地周辺まで津波が押し寄せる予測図も示されていた。
 しかし公表された想定では、こうした記載のほとんどは削られた。第一原発の原子炉建屋周辺は二〜五メートルの浸水を示すピンク色に塗られているだけだ。
 素案では空港や駅、火力発電所、魚市場などの浸水予測も示されていたが、同様に削除されている。
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