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巨大噴火、今後100年に1% 「超巨大」なら列島まひ

 神戸大大学院理学研究科の巽好幸教授(マグマ学)らは22日、日本で巨大カルデラ噴火が発生する可能性は今後100年で約1%に上るとの研究成果を発表した。また、これよりも発生頻度の低い超巨大噴火が九州中部で起きたと想定すると、日本列島のほぼ全土を降灰が覆い、1億1千万人以上の生活がまひするという。

 巽教授らは、日本で過去12万年に起こった火山噴火の規模と発生頻度を、統計的に解析した。富士山や桜島など通常の噴火と、巨大カルデラ噴火のメカニズムの違いや発生回数の相関関係などから、噴火の規模を示す「噴火マグニチュード(M)」7以上の発生確率を、今後100年間で1%と算出した。巽教授は「いつ起きても不思議ではない」としている。

 一方、超巨大噴火については、約2万8千年前に九州南部で起きた「姶良カルデラ噴火」の地層記録を基に、被害を推計。この噴火と同様のM8・3規模が九州中部で起きれば、周辺地域が100キロにわたって火砕流にのまれるほか、偏西風に運ばれた火山灰で、沖縄県や北海道東部を除く日本全土で交通やライフラインなどがまひ。こうしたM8以上の発生確率は今後100年間で0・25%とはじき出した。

 巽教授は「地下のマグマだまりのモニタリングなど、火山研究や観測技術の開発を進めるべきだ」と指摘している。

 研究成果をまとめた論文は、11月11日に「日本学士院紀要」に掲載される。(山本哲志)

【カルデラ噴火】 地下のマグマが一気に噴き出して地表が数キロにわたって陥没し、カルデラの形成を伴うような巨大噴火。マグマの噴出量で規模を示す「噴火マグニチュード(M)」でみると、M7以上はすべてカルデラ噴火という。日本では過去12万年で熊本・阿蘇などで少なくとも10回発生している。

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