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川内原発審査で住民説明会、録音禁止など制約多く運営に批判も

 原子力規制委員会から新規制基準への適合が認められた川内原発鹿児島県薩摩川内市の審査結果について、鹿児島県と薩摩川内市は9日夜、住民説明会を開いた。
 抽選で選ばれた参加者には、会場での録音・録画の禁止や座席の指定などの多くの制約が課せられた。環境団体は主催者の運営に対し「最低レベル」と酷評している。
 説明会は、緊急時の避難計画策定が義務づけられている、原発から半径30キロ圏内に位置する市町で、今月15日までに計5回開催される。主催者は鹿児島県と各市町で、対象住民は初回の薩摩川内市では同市民のみとし、残り4回は鹿児島県民に限定した。審査結果については、原子力規制庁の審査担当者が説明した。参加者に発送された住民説明会の入場券には「録音、写真・動画撮影は禁止」と明記されている。
 報道陣も含め会場での座席は全て指定。初日の説明会には1000人近い薩摩川内市民が参加したが、抽選により会場に入れない市民もいたという。入場券のコピーを報道資料に掲載した国際環境団体グリーンピース・ジャパンは、インターネットでの中継を行わないことなどを取り上げ「説明会の住民参加度は世界最低レベル」と評した。同団体は声明で「座席指定は主催者側が恣意的に発言者を選択することも可能にする」と批判した。
 今回の開催では、審査結果に関する内容説明に限定し、事故発生時の避難計画や再稼働については対象外だと繰り返しアナウンスされ、結果的に関連の踏み込んだ説明や質疑応答はなかった。質問に立った女性参加者は「説明会参加が抽選というのはいかがなものか。住民の思いを軽々しく扱っている。再稼働を早く進めようとしているのかと疑問に感じる」と語気を強めた。
 別の参加者は「聞き逃したこともあるから録音機を使いたいのに、使わせない。一体この住民説明会の目的は何か」と質した。県庁の担当者は「説明会は最初3回の予定だったが5回に増やした。参加を申し込んだ方に実際に説明と質疑を聞いてもらうのが目的」と回答した。
 質疑応答は当初約30分の予定だったが、結果的に約1時間に及んだ。最後の質問として司会者から指名された男性が「原発推進派の立場で行動してきたが、福島の事故で疑問が生じた。しかし、安全に対する詳細な説明で疑問が払しょくされた」と発言すると、会場から拍手が起きた。

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