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11.22福島県沖地震が示す核燃料プールのリスク −2F3号機核燃料プール冷却1時間半停止事故を小さく見せたがる原子力規制委員会− 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その119 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 11月22日早朝(5時59分)の福島県沖地震・津波には驚いた。ラジオで津波が来るから避難せよの警報の繰り返しを聴きながら、福島県の人たちは3.11の再来かと不安な気持ちで聞いているだろうと心配した。
 と、7時半頃か、福島第2原発(2F)3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が停止し、核燃料を冷やす水の循環が出来ていない状態との報。水温28.7℃が毎時0度2分ずつ上昇する(運転管理制限値65度)という。1F4号機の水素爆発を想像しますます心配になった。幸い、9時過ぎには冷却用ポンプが再起動され冷却が再開したと報道され安堵した。それでも約1時間半も冷却が止まりプールの水温も29.5℃まで約1度強上昇していた。

 原子力規制委員会はこの事件をできるだけ小さく見せたがった。

○水温上昇は0.2℃に過小訂正。停止前水温28.7℃の発表を、「プール外側の系統配管に設置されたポンプ吸込口での温度であり、ポンプ停止中はプール水内の温度を正確に測定できない。」との言い訳を付けて、29.3℃に訂正。
○同日の定例会議や記者会見でもポンプ停止の原因を明らかにしない。スロッシングでポンプが止まったとしたならば地震対策上改善が必要だろうに。
○NHK記者からの、冷却停止が6時10分であるのに東電から規制委への報告が7時5分と約1時間も遅れた、との指摘に対しても、田中委員長は、報告遅れを問題視しないばかりか、ポンプ停止はトラブルみたいなもの、こういうことはありうる、と他人事のようにそして大げさにしないように答えた。

 2F3号機のプールには2544体の核燃料が貯蔵されていた。全国で18000トンの使用済み核燃料がプール等に保管されており、どこでも今回の震度5弱以上の地震が起こり得ることを考えれば、しっかりとした対策が必要である。それにも拘らずこの事故を小さく見せようとする理由は、日本中にばらまかれた爆弾のような核燃料プール(「トイレなきマンション」の「おまる」)の危険性を広く知られたくない、原発再稼働をすると核燃料が高熱になりプールがより危険になる、東電委員会で分社化などが議論されている中で今は東電の悪口を言いたくない、などであろう。

 1F4号機プールの水素爆発をもう一度思い起こそう。東電・経産省・原子力規制委員会による事故隠し・事故過小評価を許してはいけない。


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