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参照元
柏崎刈羽原発を襲った中越沖地震と「もんじゅ」

これが中越沖地震の揺れ
柏崎刈羽原発1号〜4号の解放基盤表面での推定
柏崎刈羽原発5号〜7号の解放基盤表面での推定

 一点鎖線の山形が、旧指針に基づく柏崎刈羽原発の基準地震動S2。S2とは「実際には起こるとは考えられないが、
念のため想定する地震動」で、この揺れに対しては、塑性変形(形が元に戻らない変形)してもよいが壊れてはならない
範囲での設計が求められる。1号〜4号では、ご覧のように、S2を揺れの全周期が完全に越えてしまっている。周期
0.02秒で約1700ガル、0.1秒前後では4000ガルを越えている。5号〜7号では揺れは小さい。それでも5号などはほとん
んどの領域で越えている。
 中越沖地震はM6.8の中規模の地震で、日本中、どこで起こってもおかしくはない。その程度の地震でもこの有様だっ
た。原発の耐震安全性の考え方が根本的に間違っていたことを事実が雄弁に物語っている。
 S2を越えても直ちに原発が壊れるわけではないだろう。しかし、これ以上の揺れで壊れるという破壊点は計算されて
いるはずだから、実際にどれくらいの余裕がどれくらいあるのかを明らかにするには当然ではないか。それをしないで
「余裕があるから大丈夫」とか「計算した結果、裕度に収まった」では納得は得られない。
 日本中の原発がこの揺れで、この揺れで大丈夫か、検討すべきである。保安院はなぜか指示しない。

※「解放基盤表面」とは、原発の耐震設計の元となる基準地震動を考えるに当たって、立地の原点となる地盤(岩盤)
で、その上に何もないむきだし状態のこと。柏崎刈羽原発の「解放基盤表面」は地下、二百数十bにあり、その上には
堆積層が存在する。基準地震動(S1やS2)は、この堆積層を仮想的にはぎ取った状態で入力される値で、「はぎとり波」
とも言われる。

「もんじゅ」のSsとの比較
「もんじゅ」のSs
柏崎刈羽原発のはぎとり波と「もんじゅ」Ss

 Ssは今回の「耐震バックチェック」で新たに示された新基準地震動。旧来のS2:466ガルが600ガルに引き上げられた。その図を、柏崎刈羽原発で観測された中越沖地震の解放基盤表面での推定波と重ねたのが右図。そのほとんどの周期でSsを越えてしまっている。

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