【記事18474】中越地域は地質複雑 柏崎原発周辺専門家指摘 探査機器増強を 東電「技術的に困難」(新潟日報2008年2月16日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 東京電力が柏崎刈羽原発周辺の陸域で行っている断層調査に対し、複数の専門家が「地下深部まで調べるべきだ」と指摘する理由は、同原発がある中越地域が非常に複雑な地質構造をしているからだ。
 
 本県を含め日本海東緑部の「ひずみ集中帯」と呼ばれる地域では、陸側と海側から押されることで地層がしわのように幾重にもたわむ褶曲構造が見られる。このため、中越地域でも地下を走る断層は斜めに傾き、地震を引き起こす「震源断層」は一般的に地下十キロ前後の深さにあるケースが多いというイメージ図参照=。
 東大地震研究所の佐藤比呂志教授は「新潟のように複稚に褶曲していると、地表近くの浅い部分を見るだけでは、断層がどの方向にどこまで延びているかを正確につかむことは難しい」と説明する。
 仮に地表近くの浅い部分で確認された活断層が、原発など地上構造物から遠く離れているとしても、その断層が地下深く斜めに延びたところに震源断層がある場合、構造物の真下に位置する恐れがある。
 一般的に地震で最大の揺れに襲われる場所は震源断層の真上とされる。原発周辺の地下深部に地震を起こし得る震源断層があるかどうかは耐震安全性を評価する上で重要なポイントとなる。
 このため、東電の調査は現在の探査用機器を増強するなどの形で、地下十キロ前後まで広げて実施するべきだとの見解だ。

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