[2017_05_24_01]<原子力規制委新基準>「福島と同型」焦点に 大飯合格で(毎日新聞2017年5月24日)
 
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<原子力規制委新基準>「福島と同型」焦点に 大飯合格で

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県、出力各118万キロワット)が24日、原子力規制委員会の審査に合格したことで、新規制基準をクリアした原発は計6原発12基となった。合格した原発はいずれも事故を起こした東京電力福島第1原発とは型が異なる加圧水型の原発。今後は福島第1原発と同じ沸騰水型の原発に焦点が移り、審査が大詰めを迎えている東電柏崎刈羽原発(新潟県)に注目が集まる。
 関電は、設計上想定する地震の最大の揺れ(基準地震動)を従来の700ガル(ガルは加速度の単位)から856ガルに引き上げるなど安全対策を強化し、合格にこぎつけた。これで関電が審査を申請した3原発7基は全て合格したことになる。設備の詳細設計などの認可や地元同意手続きを経て、大飯3、4号機は早ければ今秋以降に再稼働する見込みだ。
 新基準が施行された2013年7月以降、これまでに規制委に審査を申請したのは16原発26基。加圧水型は審査が先行し、北海道電力泊原発1〜3号機と日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)を残すのみ。敦賀2号機は原子炉直下に活断層の存在が指摘され、審査は事実上ストップ。泊1〜3号機も地盤の問題などで審査に時間がかかりそうだ。
 一方、沸騰水型では、柏崎刈羽6、7号機の審査が先行。東電は来月にも、これまでの審査を反映させた安全対策の基本方針を記した最終的な申請書を規制委に提出する見込みだ。審査実務を担当する原子力規制庁はこれを基に事実上の審査合格証となる審査書案の作成に着手する。
 ただ規制委は東電が重大事故の当事者であることを重視しており、田中俊一委員長は24日の記者会見で「安全に対する考え方を慎重に見極める必要がある」と語った。【柳楽未来】

KEY_WORD:日本原電_敦賀原発2号機_規制委に審査申請_:FUKU1_:OOI_:TSURUGA_: