[2020_10_31_03]津波の高さ、福井県は最大12メートル M7地震で県が想定見直し(福井新聞オンライン2020年10月31日)
 
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津波の高さ、福井県は最大12メートル M7地震で県が想定見直し

 福井県は10月30日、日本海側でマグニチュード(M)7クラスの地震が発生した場合の津波浸水想定を見直し、公表した。海岸線での最大津波高は坂井市三国町安島付近で12・2メートルとなるなど、沿岸11市町のうち6市町で県が2012年に示した独自想定結果に比べ高くなった。独自想定よりも地形データを細分化したことなどが要因。沿岸市町は今後、津波ハザードマップや避難計画を見直す。
 一方、全海岸線での最大津波高の平均は2・7メートルとなり、0・5メートル低下した。
 日本海側での地震発生は、千年から数千年間隔と想定されている。12年の県の独自想定は、活断層とみられる断層から4地点を選定し、県が設定したモデルに基づいてM7・28〜7・99の地震でシミュレーションした。今回は国が示した日本海側統一の津波断層モデルを使い、五つの断層でM7・17〜7・39の地震を想定。最大津波高や到達時間などを算定し直した。
 新たな想定では、坂井市の沖合約100キロの「若狭海丘列付近断層」で地震が発生した場合の海岸線の最大津波高は、坂井市三国町安島付近で最大12・2メートルと算出され、県独自想定の同市三国町米ケ脇、三国町崎付近の8・68メートルに比べ3メートル以上高くなった。このほか高浜町音海付近は8・7メートル、おおい町大島付近は7・9メートルなどとなり、独自想定を上回った。
 住宅がある主要地点別の最大津波高は、坂井市三国町崎で10・2メートル(最短到達29分)、同市三国町安島で7・5メートル(同28分)などとなった。
 嶺北の海岸線を沿うようにのびる断層で起きる地震の海岸線の最大津波高は、越前町玉川付近が1・1〜7・2メートルで、最短1分未満で到達すると算定。敦賀市大比田付近は0・9〜4・7メートルで、同11分で到達するとした。
 また、県独自の試みとして津波時の住宅付近の道路浸水状況も算定した。坂井市三国町安島の市道が1・4〜3・7メートル、越前町新保では国道305号が1・5〜2・9メートル浸水するとした。道路が0・3メートル以上浸水すると、避難行動が取れなくなるとされている。
 原発付近の最大津波高は、関西電力の高浜が2・9メートル、大飯が2・3メートル、美浜が1・9メートル。日本原電の敦賀は2・9メートルとなった。
 県砂防防災課の酒井俊雄課長は「各市町のハザードマップ見直しや避難路確保に反映して、ソフト対策の充実を図っていきたい」とした。想定は県のホームページなどで公開している。
福井新聞社
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