[2020_10_28_02]規制委、原電の社内体制を異例の検査へ 審査資料書き換え問題で(毎日新聞2020年10月28日)
 
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規制委、原電の社内体制を異例の検査へ 審査資料書き換え問題で

 日本原子力発電(原電)が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の安全審査で、審査資料を無断で書き換えていたことなどを受け、原子力規制委員会は原子炉等規制法に基づき、原電の社内体制を検査することを決めた。原発を運転する事業者として適性を問う必要があると判断し、資料に記されたデータの管理状況などを調べる方針。安全審査の段階で社内体制を検査するのは異例だ。
 敦賀2号機の原子炉建屋の直下には活断層があると指摘されている。一方、原電は「活断層ではない」と反論している。
 規制委による敦賀2号機の安全審査を巡っては、今年2月、原電が審査資料に記された地質に関するデータ80カ所を、無断で書き換えたり削除したりしていたことが判明した。規制委は、原電との信頼関係が築けるまで安全審査を中断することにし、書き換えの理由や経緯を説明するよう原電に求めている。
 規制委の安全審査は、事務局を担う原子力規制庁の地質などに詳しい職員が担当している。原発を運転する事業者として原電の姿勢を検査するには、規制庁の安全審査の担当者とは切り離して、原発の安全管理について定めた「保安規定」などに詳しい別の職員のチームが担当する必要があると判断した。
 新たなチームは今後、書き換えの経緯や、原発に関わる規定に照らして社内のデータの管理状況などを調べ、必要に応じて原電の本店(東京都)への立ち入りも検討する。規制委の石渡明委員は「原電は審査以前の問題だ」と指摘している。【荒木涼子】
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