【記事63280】<伊方原発差し止め>四国電力が異議、執行停止申し立て(毎日新聞2017年12月21日)
 
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<伊方原発差し止め>四国電力が異議、執行停止申し立て

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた広島高裁の仮処分決定を不服として、四電は21日、同高裁に保全異議と仮処分の執行停止を申し立てた。差し止めを命じた野々上友之裁判長は20日付で退官しており、別の裁判官が審理する。
 今月13日の決定は、約130キロ離れた阿蘇カルデラ(阿蘇山、熊本県)が大規模噴火した場合、火砕流が海を越えて伊方原発に到達する可能性を指摘。来年9月末までの運転差し止めを命じた。高裁段階で初めての原発差し止め決定で、火山噴火を理由とした差し止めも初だった。
 四電はこの日提出した申立書で「運転期間中に大規模噴火が起きる可能性は極めて低い」などと反論。佐伯勇人社長は高松市内で記者会見し、「(今回の決定は)他の裁判所で示されてきた、社会通念を踏まえた常識的判断を覆した。学者の意見や客観的データを積み重ねて立証し、不退転の覚悟で勝ちたい」と述べた。
 一方、住民側は「落胆と怒りの念を禁じ得ない。原発は瀬戸内の住民の暮らしを根底から脅かしており、潔く高裁の命令に服してほしい」とのコメントを出した。【東久保逸夫、岩崎邦宏】

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