【記事88580】「証拠あったのに」と憤り=原発告訴団、控訴求める−東電旧経営陣裁判(時事通信2019年9月19日)
 
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「証拠あったのに」と憤り=原発告訴団、控訴求める−東電旧経営陣裁判

 東京電力の原発事故で旧経営陣3人に無罪判決が言い渡されたことを受け、事故の被害者でつくる福島原発告訴団も19日に記者会見した。
 団長の武藤類子さん(66)は「あれだけ証拠がありながら罪に問えないのか。裁判官は福島の被害に真摯(しんし)に向き合ったのか」と憤り、検察官役の指定弁護士に控訴するよう求めた。
 告訴団の一員で、被害者参加代理人として裁判を見届けた海渡雄一弁護士は、判決が政府機関の地震予測「長期評価」の信頼性を疑問視したことに触れ、「証人尋問の結果とは全く反する。都合の良い部分だけをつまみ食いした」と批判。「これほどひどい判決が出るとは予想していなかった。絶対に取り消されるべきだ」と語気を強めた。
 今回の裁判は、告訴団が検察審査会に申し立てたことで実現した。河合弘之弁護士は「不起訴のまま終わっていたら、すべての証拠が歴史の闇に葬られていた。白日のもとにさらされただけでも歴史的価値がある」と意義を強調した。 

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