【記事88610】東電旧経営陣の無罪に法廷騒然「不当判決」抗議も(日刊スポーツ2019年9月19日)
 
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東電旧経営陣の無罪に法廷騒然「不当判決」抗議も

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(79)ら東電旧経営陣3人について、東京地裁(永渕健一裁判長)は19日、無罪を言い渡した。
 永渕裁判長が「被告人らはいずれも無罪」と主文を読み上げると、傍聴席からは「ええー!」「うっそー」と声が上がった。地裁前では刑事告発した市民グループが「不当判決」と書かれた紙を掲げ、「間違ってる」と抗議した。
 旧経営陣の刑事責任に対する初の司法判断。争点は、巨大津波は予見できたかどうかだった。「(旧経営陣は)津波対策方針をいったん了承しながら先送りした」とする元幹部の供述調書について、永渕裁判長は「資料を配付しただけで了承されたと推測している可能性が拭えない」と信用性を否定。最大15・7メートルの巨大津波の根拠となった02年の国の地震予測「長期評価」についても「信頼性に限界があった」とした。
 このため、勝俣元会長らは「(原発の敷地の高さ)10メートルを超える津波が襲来するという意見があることは認識しても、信頼性、具体性を伴う根拠があるとは根拠していなかった」と判断した。
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